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OTV制作部

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琉球トラウマナイト原案・監修の小原猛による沖縄妖怪解説「きがずん」

写真:トラウマナイトの原案・監修を務める小原猛氏。

OKITIVEをご覧のみなさん、こんにちは!琉球トラウマナイトのラジオ番組「かんこどりのなく夜」の桃Dこと比嘉桃子です。(琉球トラウマナイトはテレビ以外にもラジオもあります)琉球トラウマナイトの原案・監修を務める小原猛さんに沖縄の妖怪について伺います。

―「琉球トラウマナイトレジェンド2022」2話目の「きがずん」についてお伺いします。きがずん…本島出身の私はあまり聞いた事のない妖怪なんですが…

小原猛(以下、小原)
「『きがずん』は宮古の妖怪ですね。僕が読んだ『沖縄民俗』っていう琉大民俗倶楽部という論文集に載っている話なんですが、宮古でちゃんとした死に方をしなかった人、つまり溺死者、変死者、自殺者が化けて『きがずん』になるといわれています。特に溺死者は、夜中になったら海からあがってきて素っ裸で焚火に当たってるそうで、その姿を見たものは呪われて死んでしまうという妖怪です。『まやーされる』という言い方をするんですが、家と思った方向が実は海でそのまま進んでいくと死んでしまうとか。」

―妖怪が素っ裸で焚火にあたっているというのも珍しいですね。

小原
「そうですね。本島で溺死者が化けて出る場合は、足を引っ張るというのが多いですね。きがずんの目撃談もあります。宮古島で夜釣りに出かけた親子が、焚火に当たってる全裸の4人家族を見かけて『こんな夜に焚火に、しかも家族でっておかしいな』と思ったそうです。よく見るとニュースでやっていた津波にさらわれた一家だと気づき、来た道をゆっくり戻ろうとすると、なぜかどんどん海の方に向かってしまい、家に帰れなくなりそうになったというのもありました。」

一家全員が素っ裸で焚火にあたっているのは確実にこの世のものではなさそうですね…

小原
「本島だと、万座毛で亡くなった釣り人が崖から上がってきたという話も聞きますね。」

―釣りが好きな人は、夜の方が釣れると言ってよく出かけますよね…これを読んでいる人は気を付けてください…

小原
「台風の前後だと本当に厳禁ですよ。
沖縄戦の時、崖から自死しなければいけない状況に追い込まれた人がたくさんいたそうです。ですが、大体沖縄の崖は15メートル前後しかないから中々すぐは死なずに苦しんで亡くなっていったという悲しい記録もあるそうです。危険なので間違ってもそういう所には近づかないでほしいですね。きがずんから少し話は逸れますが、そういう崖の下にはヤドカリやヤシガニがたくさん出るので島によってはこれらを良くない生き物として食べない人も多いそうです。」

―皆さんにも気を付けてほしいです。
小原さんありがとうございました。

小原猛(こはらたけし)
1968年京都生まれ。与那原町在住。作家。著者に「琉球怪談」「沖縄怪異譚大全」、ラジオ沖縄「琉球トラウマナイト・かんこどりのなく夜」パーソナリティ。元那覇市若狭公民館勤務。現在、琉球新報小中学生新聞「りゅうPON!」に、「ふしぎうちなーショートショート」連載中。

琉球トラウマナイトレジェンド2022

【番組概要】
人気ホラーシリーズ「琉球トラウマナイト」が今年も放送!
今回放送するのは、沖縄に古くから伝わる昔話や伝承を現代風にドラマ化する「レジェンド」!
今年は、ある家族を中心に全3話の恐怖ドラマを放送!
2022年8月9日(火)よる7時55分より沖縄テレビ8チャンネルにて放送!
暑いこの季節、背筋も凍る恐怖体験をお見逃しなく!

番組情報はこちら

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