公開日
OTV制作部

OTV制作部

琉球トラウマナイト原案・監修の小原猛による沖縄妖怪解説「サーダカー」

写真:トラウマナイトの原案・監修を務める小原猛氏。

OKITIVEをご覧のみなさん、こんにちは!琉球トラウマナイトのラジオ番組「かんこどりのなく夜」の桃Dこと比嘉桃子です。(琉球トラウマナイトはテレビ以外にもラジオもあります)琉球トラウマナイトの原案・監修を務める小原猛さんに沖縄の妖怪について伺います。

―小原さん。宜しくお願いします。

小原猛(以下、小原)
「『琉球トラウマナイトレジェンド2022』3話目の『サーダカー』は実は妖怪でも幽霊でもないんです。タイトルをつけなくちゃいけなくてサーダカーにしたけど、ドラマの最後のまとめのような感じですね。サーダカーって沖縄の人に言ったら割と通じますよね。」

-そうですね。「〇〇ちゃん、幽霊みたってよ~、あの子サーダカーだからね」みたいな感じで割とポピュラーな言葉だと思います。そして言われた方も「そうなんだ~」って納得しますね。「琉球トラウマナイトレジェンド2022」3話目の「サーダカー」では、特に母と娘に焦点が当たる感じでしょうか。

小原
「そうですね。これはドラマだけど沖縄の祭祀や祈り事に関しては古くから女性が司っていたのもあるからね。ユタも最初は全部女性なんですよ。そのあとに『トキ』という男性の祭祀を行う存在も出てきたけど…やっぱり女性がそういう力が強いんじゃないかなと思います。」

―性別と霊能力の関係は科学的には証明できないかもしれないですが、昔から関係があったのでしょうか。政治は男性、祭祀は女性、と別れていたこともありますよね。

小原
「そうですね。これは文献にも残っている話だけど戦争をしている王様がユタに出向いてどうやって攻めるのがいいのか相談したり生霊を飛ばし合ったりというのも当たり前に行われていたからね。まさに生霊合戦!!そういえば、『サーダカー』のドラマには少し元ネタになっている話があるんですよ。」

-元ネタ!

小原
「『親の声は神の声』という民話で、昔の沖縄の親子の話です。息子を科挙の勉強のために中国へ送り出すんですが、母親がある日その息子が死んでしまう夢を見るんです。慌てた母親はユタに相談するんです。すると『〇月〇日に、△△の方角に向かって息子の名前を大声で叫びなさい、そしたら助かる』と言われます。母親はそれに従って全身全霊で息子の名前を呼びました。ちょうどそのころ、息子は同時刻に中国の洞窟に居て地震が起きてその洞窟は崩れてふさがってしまったんです。しかし、その息子は地震の直前に母親の声が聞こえて、声のする方に向かって歩き洞窟から離れたおかげで助かった。という話なんです。」

―へぇ!初めて聞きました。まさに「親の声は神の声」。

小原
「女性の持ち物、特に髪飾りのジーファー(かんざし)も魔除けになりますし、古来から女性には不思議な力が宿っていたのかもしれないですね。みなさんの周りにも幽霊が見えたりふしぎな力があるのは結構女性が多いんじゃないかな。どうでしょうか。」

―確かに…そんな気もします。

小原
「そんな女性の不思議な力が今年のドラマにも溢れておりますので、『琉球トラウマナイトレジェンド2022』皆さま是非お楽しみに!」

―小原さんありがとうございました!

小原猛(こはらたけし)
1968年京都生まれ。与那原町在住。作家。著者に「琉球怪談」「沖縄怪異譚大全」、ラジオ沖縄「琉球トラウマナイト・かんこどりのなく夜」パーソナリティ。元那覇市若狭公民館勤務。現在、琉球新報小中学生新聞「りゅうPON!」に、「ふしぎうちなーショートショート」連載中。

琉球トラウマナイトレジェンド2022

【番組概要】
人気ホラーシリーズ「琉球トラウマナイト」が今年も放送!
今回放送するのは、沖縄に古くから伝わる昔話や伝承を現代風にドラマ化する「レジェンド」!
今年は、ある家族を中心に全3話の恐怖ドラマを放送!
2022年8月9日(火)よる7時55分より沖縄テレビ8チャンネルにて放送!
暑いこの季節、背筋も凍る恐怖体験をお見逃しなく!

番組情報はこちら

あわせて読みたい記事

HY 366日が月9ドラマに…

あなたへおすすめ!