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くらしと経済編集部

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ホームセンター生き残りの救世主?DIYはブームから文化になれるか

後間
こんにちは。後間秋穂です。今日は近年人気が高まっているDIYについて、野村證券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺います。

後間アナと宮里支店長の2ショット

後間
まず、最近のホームセンター市場の現状について教えてください。

宮里
はい。ホームセンターの店舗数は毎年増加していますが、業界の売上は横ばいの状態が続いています。近年はネット通販やドラッグストアなども競合相手となりさらに競争が激化しています。

そんな中、2020年以降の新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、ホームセンター業界は好調に転じています。
経済産業省の調査によると大手ホームセンターの2020年度の売上高は3兆5211億円となり前年度に比べて6.7%増を記録しています。

ホームセンターの販売額・店舗数の推移

後間
なるほど。では沖縄県内のホームセンターの現状はどうなっているのでしょうか。

宮里
はい。国が5年ごとに実施している調査によると、沖縄県のホームセンターの店舗数は全国最下位ですが、店舗数の増加率は全国1位となっています。平成24年と平成28年のデータを比較すると、店舗数が16店舗から31店舗に増え、増加率が93.8%で突出しています。

沖縄県の位置づけ

後間
では、売上高の増加とDIYにはどのような関係があるのでしょうか。

宮里
経済産業省の調査ではホームセンターの売上はDIY用品と家庭用品で5割近くを占めています。この調査では
DIY用品、家庭用品の売上高は前年度に比べそれぞれ10.9%増、3.5%増でした。
DIYの売上高が前年度に比べ10%増加したのは直近では2020年度だけなので、この大幅な売上増がDIYブームといわれる要因だと思います。

ホームセンター商品別販売額の推移

後間
なるほど。ホームセンターはこれまでのDIYブームの流れには乗れなかったのでしょうか?

宮里
これまで三度のブームがありましたが、いずれもホームセンターはブームに乗れなかったといわれています。
ホームセンターが扱う商品の主なターゲットがあくまでプロであるため、DIY初心者が欲しいものを探すのが困難だったことが原因と分析されています。

後間
ホームセンターは今回の4回目のブームに乗れそうなのでしょうか?

宮里
2015年頃の第3次ブーム以降から大手ホームセンターがプロ用の工作機などを設置した工房を設け、ワークショップなどのイベントも開催し、DIY初心者にものづくりを体験できる場所を提供し始めました。

他のホームセンターでは、幅広いユーザー層に向けてわかりやすく、買いやすい商品を中心に品揃えしたところ、女性客や家族連れなどこれまで利用の少なかった客層が多く立ち寄るようになり、販売実績が着実に上がるといったケースも多く見られます。
そこに新型コロナの影響も加わり、第4次ブームになったと思われます。

しかし、DIYを通じてホームセンターが生き残るには「アフターコロナ」を見据えた取り組みを同時に行っていく必要があると思います。

DIYブームの変化

後間
今回は「ホームセンター生き残りの救世主?DIYはブームから文化になれるか」について宮里さんにお伺いしました。ありがとうございました。

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