暮らし,沖縄経済
目の当たりにした沖縄の貧困 自身の経験生かしゴージャス理枝と支援に奔走するマツ毛美紀
困窮する子育て世帯に食料を届ける活動を行う、女性を元気にする会のゴージャス理枝さん(那覇市・エステサロン経営)

ゴージャスさんには当初から活動を共にする相棒がいる。エステサロンの従業員で、女性を元気にする会の唯一のメンバー・マツ毛美紀さんだ。
なぜ、マツ毛美紀さんもまたゴージャスさんとともに休む間もなく支援に駆け回るのか。その思いを聞いた。

━━変わった名前の由来は?
マツ毛美紀さん
「全然名前を覚えてくれないんですよ(笑)ゴージャスにかなう名前はないから、どんな名前がいいかなってずっと考えていて。
エステサロンでマツ毛の施術を担当しているからマツ毛でいいじゃんと思って、それからまマツ毛にしたんですよ。そこから本当に覚えてもらえるようになりました。」

━━ゴージャス理枝さんと支援を始めたきっかけは?
マツ毛美紀さん
「最初はゴージャスと母子寮を回って講演をしていて、そしたらその子たちからSOSが来たんですよ。ゴージャスが『食料がないっていうから持っていく』って言った時に、『そこまでやる必要はないと思います』って言ったんですよ。だから最初は2人が同じ気持ちじゃなくて。
でもゴージャスが1人で行くから。1人で行かせるわけにいかないというか。じゃあ次、私も行きますっていって。」
━━活動を始めてみて感じたことは?
マツ毛美紀さん
「10年前、私がこれから1人で娘を育てるっていう時に、9社連続で面接に落ちたんですよ。実家も遠いし、誰が子供預かるんですか、残業できますかとか聞かれて。
食料支援は2019年から続けているんですが、訪問先のお母さんたちから「5社連続で面接に落ちているんです」という話を聞いた時に、10年前と変わってないなというのをすごく感じて。
企業はお母さん歓迎とか、子どもがいても大丈夫ですよって謳っているのに、結局。社会って『女性が働きやすい職場にする』とか今すごく言われていますけど、まだまだ厳しいんだなと痛感しました。」

━━自身も女手一つで娘を育てているということですが、忙しい中で支援を続けられる理由は?
マツ毛美紀さん
「色んな事情で苦しむお母さんたちを見ていると、自分もゴージャスと一緒に支援していきたいなと思って。
例えば3社連続で落ちたとか、5社連続で落ちたって話を聞くと、『大丈夫。私も10社目で受かったから』って言える。
そしたらちょっと元気を与えられるかもと思って。あの時はすごく辛かったし、こんなに落ちるのって思っていたけれどそれが今となればプラスだなって。
ゴージャスと訪問することで少しでも元気になるお母さんがいたり、自立できるお母さんがいたり。絶対あなたも大丈夫だよっていうのを伝えられたらいいなと思って活動を続けています。」

━━今後の目標は?
マツ毛美紀さん
「自立したお母さんたちを1人でも増やすことと、貧困の連鎖を断ち切ること。
沖縄って貧困、貧困って言われていますが、実際見た時にはやっぱり厳しいんだなっていうのがありました。
私たちにSOSを出すっていうことは、絶対何か理由があるからだし。食料支援っていうきっかけではあるんですけど、何かしらお母さんたちの手助けだったりとか、自立できるようにアドバイスだったりとか、やっぱ頑張ろうって1人でも多くのお母さんが思ってくれたらいいなと思っています。
子育てするお母さんに優しい社会って私たちが1番分かるので、そういう社会を作っていくことが目標です。」

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