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HY SKY Fes 2023開催直前! HYメンバーに意気込みと楽しみ方を聞いてみた。
HYが主催する「SKY Fes」が3月17、18、19日の3日間、沖縄県総合運動公園で開催される。17日は前夜祭で、18、19日には豪華な顔ぶれのアーティストの出演が決まっている。
コロナ禍による延期を経て開催された前回から、規模を大幅に拡大してライブのほかにもワークショップやキッチンカー、そしてキャンプサイトも設置。ソロでも家族連れでも楽しめる空間を実現した。前回の開催から1年ちょっとが経過して、今回の本祭は2Daysとなった。間近に迫る本番を前に、HYメンバー3人にフェスへの意気込みや楽しみ方を聞いてみた。
ようやく夢が形になった
――先ずは「SKY Fes」がHYにとってどんなフェスかということ、そして前回(2021年12月開催)を振り返って思うことなどをお聞きします。
新里英之(Vo&Gt):SKY Fesは自分たちの1つ夢でもあったんですよね。第1回目は地元の海中道路の十字路のところにステージをつくって、そこから“まちおこし”のようなイベントで一歩目をスタートしていったんですよ。
地元の小学生にも夢を与えるきっかけになるステージを提供したい、機会を作っていきたい、そして文化を守っていきたい、次に繋げていきたい、そんな思いを込めて。また、HYのライブには県外のファンの方も来てくれるから、沖縄の文化を届けたいということもありますね。
2回目までは同じ場所で、3回目から前回の県総合運動公園という大きな場所で、ステージもキャストもかなり出てくれて、「ようやく夢が形になったな」って思いましたね。当日ステージ立った時、ちょっと涙が流れました。
――前回の時はまだコロナ禍の影響がけっこうあった雰囲気だったのですが、会場の観客の皆さんがこれまで抑えられてたものを開放したような空気や表情がとても印象的でした。
名嘉俊(Dr):あの時って、自分たちも本当に不安とドキドキワクワクが半分だったんですよね。
コロナ2019で閉鎖的な時期に7,000〜8,000人集まるということで「大丈夫か?」という気持ちはありつつも、でもやってみたらやっぱり音楽の素晴らしさをあらためて感じることができました。みんなちゃんとルールも守ってたいたし、良かったよね。
それまでの1、2回目って音楽はHYだけで、それ以外はエイサーとか伝統文化だったんですよ。
自分たちの世代って、ちょっと音楽の垣根が高かったんですよね。ライブするにも、ライブ見に行くにも。だから、ちょっと壁を崩して、沖縄は歌の島だからもっともっと観客の皆さんに寄り添ってもいいんじゃないかなっていうのがSKY Fesのテーマでもあるので。
子どもたちも簡単にでーじ(とても)デカいスピーカーの前で音楽聴けるようなものになったらいいなっていう思いはありますね。
――会場ではちゃんとその雰囲気も感じられました。家族向けのワークショップもありましたし、子どもたちが楽しそうに走り回ってる光景はフェスとしては新鮮な感じというか。
許田信介(Ba):キャンプができるってのもすごい大きくて。家族の濃密な時間を作れるというか。ワークショップも子どもから大人まで楽しめる。だから、本当は自分たちも遊びに行きたい。主催者なんだけど(笑)。そんな気持ちで作り上げていますね。
世界ナンバーワンのクリーンなフェスにしたい
――楽器作りのワークショップではメンバーの皆さんも一緒に参加していますが、参加者のリアクションとか雰囲気はどうでしたか。
新里:リアクションは良かったよね。楽器作りのワークショップは何度もさせてもらってて、SKY Fesだけじゃなくて他のフェスの中でもやってるんですよ。歌う前にその会場の雰囲気だったり、遊びに来ている子どもたち親たちみんなの顔を見るっていうのは、リラックスすることにも繋がるんですね。
自分たちももう音楽をやってきて23年目になるんですけど、「子どもたちに何かできないかな」という目線にちょっとずつ切り替わってきたっていうか。自分たちの一番できることは音楽を通して一緒に繋がっていくこと。
そして身近でコミュニケーションすることで、子どもたちが「大きなステージに立ってたお兄ちゃんがすぐ近くにいる!もしかしたら俺もなれるんじゃないかな」みたいなことを感じられる、そんな近さで触れ合うことを大切にしてます。
名嘉:日本中、本当に素敵なフェスが多くて。沖縄でもBEGINさんの「うたの日」、MONGOL800さんのフェスもあるし、大先輩たちのバンドにしかできないフェスをやってるんですよ。
自分たちもああいう先輩になりたいな、と思いながらHYにはどんなフェスができるんだろうなというのはずっと考えてます。
そんな中で、県外の大きなフェスを見た次の日に会場にゴミが溢れてる光景が気になったんです。音楽が置いたお土産ってこんなもんか、って思ってすごく残念で。
それはどこのフェスでもあるんだけど、それもあってSKY Fesは世界でナンバーワンのクリーンなフェスを目指したいというのが1つありますね。これが自分たちのフェスの根本になる部分だと思ってます。
自分たちも時間を見つけてみんなでクリーン活動するし、前夜祭含めて3日間終わった次の日にもクリーン活動するし。クリーン活動をやるって言ったら、「自分たちもやりたい」って一般のお客さんが手あげるんですよ。それも嬉しくて。
あと、出演するアーティストのキャスティングに左右されないっていうのは、どこのフェスでも絶対に永遠の課題なんすよ。結局は左右されてしまうんですけど、例えば自分たちが大好きな「ROCK IN JAPAN 」みたいに、その名前のフェスだったら絶対に出るアーティストが素敵だから、ラインナップ見なくても参加するみたいな、ゆくゆくはそんな風になりたいです。
――開催の準備真っ最中だと思うんですけど、前回の課題なども踏まえてどういう風に準備を勧めていますか。
新里:1度は経験しているけど、規模は今度2倍になります(※今回は日程が2日間)。これだけ関わる人も増えてくると、見えない部分も出てくると思うんです。だから声の掛け合いは始まる前にスタッフのみんなと、ちゃんと自分たちの思いを共有してやっていきたいなと。
スタッフも笑顔でこのフェスを楽しんでいるような感じの明るいフェスにしていきたいなっていうのは強く思ってますね。
許田:あと、今回はアルコールの提供がある分、前回よりも未知の部分があると思うんです。
その合間合間で、ゴミ拾って回ったりとかできたらいいなと思うんですけど。
ちなみにゴミは基本、お持ち帰りくださいということで、お持ち帰りのゴミ袋は、俊さんが絵を描いてデザインしてくれて、可愛くなってますよ。
積み重ねがあったから、今だからこそできる
――今回の出演アーティストのラインナップはどんな風に決めたんでしょうか。
名嘉:純粋にホワイトボードに出てほしい人たちをみんなで書きまくりました(笑)。
県外だと平気でSKY Fesの1日分の人数を集められるようなアーティストばっかりですね、全部が全部。
そんなアーティストたちがあの場所に全員集まる。しかも、ただ出てくれるだけじゃなくて、ちゃんとSKY Fesの目指しているところを説明して、力を貸してくださいって話すと、ちゃんとスケジュールを合わせてくれて。
この形にこぎつけられたのは、前回の開催がデカかったですね。1回(コロナで)飛んで、だけど清水翔太くんとかKICK THE CAN CREWさんとか、みんなリスケしてくれて3回目に出てくれたことが今回に繋がってると思うんですよ。
新里:小学校6年生の時に初めて大きなフェスに行って、そこで喜納昌吉さんが「ハイサイおじさん」をやってて。
大人たちが音楽に酔いしれてて、「自分のお父さんお母さんがこんな風に音楽にのるんだな」って、それが初めて見る瞬間だったんですよ。
音楽のパワーでみんなが笑顔になって、自分の身体も動いてしまう。そういう機会を子どもたちに提供したいし、見せてあげたい。これは自分たちが22年間バンドをやってきたから、積み重ねがあったから、今だからこそできるんだと思う。
これだけのキャストで、たくさんの人が参加してくれてるので、来てくれたら絶対に記憶に残るものになると思います。
例えばスキマスイッチさんがあの会場で「積み上げたものぶっ壊して〜♪」(「全力少年」のサビ)って歌ったら、スキマスイッチさんを知らない子どもたちでも圧倒されると思うんです。
名嘉:ライブでジャンプしたり、手上げたりとか、そんな風に楽しむ年齢層をどんどん低くしたいよね。
小学校の低学年ぐらいからそんな音楽のノリ方ができる沖縄県にしてしまいたい(笑)。
たまにインスタとかで見る、黒人の小さい子たちが踊ってる感じ。「沖縄の子たちしに(めちゃくちゃ)踊るやっし!」(笑)みたいにできたら、すごく良いなって。
――県外から参加する人たちには、フェスと沖縄をどんな風に楽しんでほしいですか。
名嘉:3月は晴れ間も増えてくるので、先ずは「こんなに温かいの沖縄」ってなると思います。
新里:それと、キッチンカーも楽しんでほしいね。
――前回も目移りするくらいありましたけど。
名嘉:前回は人数が読めなかったんですが、蓋を開けてみたら相当な人が来て。
全然足りなかったんですよ。だから今回はものすごく多いので、思いっきり色々食べてほしいですね。今回は倍以上に増やしたので。
――沖縄市、あるいは皆さんの地元のうるま市で行ってほしいオススメのスポットは。
許田:海中道路は絶対ですね。
名嘉:宮城島のぬちまーす工場とかも行ってほしいですね。創業者がものすごく苦労されて作った、他にない塩なので。その近くにあるカフーバンタもすごく綺麗な場所だし。いくつかの島を橋で渡れるっていうのは、ものすごく魅力的な場所だと思います。
新里:ご飯だったら沖縄そばを食べてほしいのと、やっぱり地元で言えばキンタコ(キングタコス)ですかね。あのボリュームにもびっくりするだろうし。
許田:そしたらキンタコの通り沿いでまっすぐうるま市向けに行くと、うるマルシェがある。出店も色々あるし、野菜とか肉とか何でも揃ってるので。
沖縄の大きな1つの行事になってほしい
――それではまとめに、フェスに向けての意気込みを一言ずつお願いします。
許田:音楽ももちろん楽しいですし、キッチンカーもワークショップもたくさんあります。
それでいて、いーずー(keyの仲宗根泉さん)がですね、飾り付けをたくさんやってますので、それも注目してほしいなって思います。
自腹でやってるものもあって、ちゃんと見てくれないと怒りの矛先が僕たちに…(笑)。ぜひ注目していただければなと思います!
新里:SKY Fesは自分たちがいなくなっても続くような、沖縄の中での大きな1つの行事になってほしいというか。
それぐらい思いは強いですね。だけど、そのためには思い切りその瞬間その瞬間を、楽しむ。
そうすることで繋がっていくと思っています。今回のSKY Fesもたくさんの素敵なアーティストが沖縄市に集まるので、自分たちもその雰囲気を来てくれたみんなと一緒に楽しみたいです。
名嘉:本当にたくさんのスタッフさんと、色んな企業の方がサポートしてくれて3日間できるんですよ。
スタッフさんと一緒になってテントも張ったりとか、ゴミの収集も手伝ってくれたりとか、本当に自分たち4人だけじゃ絶対できないフェスなので。みんなに感謝しながら、そして何よりも自分たちが1番楽しめるような場所にします。
――最後にみなさんの「#だから沖縄が好き」を教えてください。
名嘉:基本的にシャイなくせに、1回友達になったらひっちー(しょっちゅう)電話くるとか(笑)。ちょっと人見知りなところとか、シャイなところが好きかな。仲良くなったらしょっちゅう何か物を送ってきてくれたり、家の近くを通ったらインターホン押してきたりとか(笑)。
新里:自然が綺麗、美しいということですね。自然は本当に大好きだから。沖縄といえばやっぱり海。すごく楽しい思い出もあるし、癒されたり、元気もらったり。なくてはならない場所ですね。
許田:人も気温も温かいところ、ですかね。県外から帰ってくると、やっぱり温かさにほっとしてますし。あと、さっき俊さんが言ってたように、1回話すればすぐ親しくなって、挨拶できる仲にもなれるので、そういうところがいいですね。
▼HY SKY Fes 2023
https://www.otv.co.jp/information/event/hyskyfes2023/
▼前回のHY SKY Fesの様子
HY単独インタビュー!我慢して耐えたからこそ今日の虹が掛かった!SKY Fes 2021→2022
https://www.otv.co.jp/okitive/article/7447/
やっとこの日が来ました!HY SKY fes 2020→2021 皆が待ち望んだ繋がれる場所。
https://www.otv.co.jp/okitive/article/7464/
HY SKY fes 2020→2021 多彩な出演アーティストたちの感想や意気込み。
https://www.otv.co.jp/okitive/article/7504/
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