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くらしと経済編集部

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物価高で家計負担の増すなか 選ばれるPB商品

こんにちは。後間秋穂です。
今回は、物価高などで家計の負担が増すなか選ばれるPB(プライベート)商品について、野村證券那覇支店支店長の宮里洋介さんにうかがいます。
よろしくお願いします。

早速ですが、PB(プライベート)商品の売り上げは好調なのですか。

物価高で家計負担の増すなか 選ばれるPB商品

宮里
はい。世界的な燃料価格や原材料価格の高騰と円安の影響で、食品メーカーや日用品メーカーが、あらゆる商品で値上げを行いました。

そんななか、小売各社のプライベートブランド、いわゆるPB商品が売り上げを伸ばしています。
PB商品とは、流通業・小売業・卸売業など、本来自社で商品の企画や生産をしない業態の企業が、独自に展開している商品を指します。

商品の企画や開発は自社で行いますが、製造はメーカーなどと一緒に進めていくケースも多くあります。

後間
PB商品は価格帯が比較的購入しやすいイメージがありますが、やはり選ばれている理由はそこにあるのでしょうか。

宮里
はい。PB商品は一般的に、メーカーが企画・開発・製造するナショナルブランド商品に比べて価格が安いものが多く、物価高騰の影響を少しでも抑えたい消費者に選ばれ、売上を伸ばしています。

民間の調査会社によりますと、PB商品を週に1回以上購入する人の割合は全体の4割弱となっています。

プライベートブランド購入頻度

宮里
どのような場面でPB商品を選ぶかという問いには、1年以内にPB商品を購入した人のうちおよそ半数がそれぞれ「コストパフォーマンスが良い」「価格を抑えたい、安いものを買いたい」と回答していて、「安さ」は選ばれる最も有力な理由であることがわかります。

一方で、「その商品が気に入っている」「味や品質、機能などが優れている」という回答もそれぞれ2割強から3割強を占めました。PB商品が品質などの部分でも一定の評価を獲得していることが読み取れます。

県内のスーパーにも国内大手小売の高品質なPB商品を揃えている売り場が展開されています。PB商品は低価格志向と高級・独自志向という2つの軸が存在すると考えられます。

どのようなプライベートブランドを選ぶか

後間
なるほど。ただ現在の環境では価格上昇の影響は避けられないように思うのですが、なぜPB商品は安さを維持できているのでしょうか。

宮里
小売店側は、メーカーに製造を依頼する際、まとまった数の製造を依頼し、依頼した数の買取を約束します。
それによりメーカー側はまとまった量の原料を安く仕入れることが可能となります。

また、メーカー側は製造ラインを計画的に稼働させることができるようになるため、その点もメリットとなります。

さらに、小売店側もラベルや包装の簡素化や広告宣伝費を抑えるなどのコストダウンを図ることによって安さを維持することができています。

後間
まとまった数の製造を約束することで製造コストを下げ、小売店側の様々なコストダウンによって安さを維持しているんですね。
ところで、最近のPB商品で人気なのはどのような商品でしょうか。

宮里
最もよく購入されているのは、「インスタント食品・レトルト食品・料理の素」で、「お菓子・チルドデザート・アイス類」「調味料・タレ・ソース類・油など」が続きます。この3つのカテゴリは3割前後の人達が購入すると回答しています。また、「パン類」「冷凍食品」「牛乳・乳製品」が2割を超えて続きます。

後間
原料価格の高騰によりあらゆる商品の価格が上がっているなか、安さや品質の観点から、PB商品を購入する人の割合が増えているのですね。

プライベートブランドをよく買うカテゴリ

後間
今回は、「物価高などで家計の負担が増すなか選ばれるPB商品」について、宮里洋介さんにうかがいました。

ありがとうございました。

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