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くらしと経済編集部

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ホテル滞在を楽しむステイケーションのこれから

こんにちは。後間秋穂です。今回は「ホテル滞在を楽しむステイケーションのこれから」について野村證券那覇支店支店長の宮里洋介さんにうかがいます。よろしくお願いします。

ホテル滞在を楽しむステイケーションのこれから

後間
早速ですが、「ステイケーション」とはどのような意味を持つ言葉なのでしょうか?

宮里
ステイケーションとは、「滞在」を意味する「ステイ」と「休暇」を意味する「バケーション」を組み合わせて作られた造語です。
飛行機や新幹線に乗らず、近場のホテルなどで休暇を取ろうといった意味合いの言葉です。新型コロナ禍で移動や外出の自粛が続いたことを契機に「ホテルなどに滞在すること自体を楽しむ旅行のスタイル」として注目されてきました。
国内では、近場の高級ホテルで贅沢な時間を過ごすことがトレンドとなりました。その他、ペットと泊まれるホテルや泊まれる映画館などステイケーションのありかたは多様化していきました。

後間
ところで、2023年3月には国内でマスク着用の規制が緩和されるなど、新型コロナウィルスが収束を見通す中、ステイケーションのありかたも変わっていくのでしょうか。

宮里
はい。ステイケーションの新たな形として、復元や改修をした城の店主や櫓に泊まってお殿様気分を満喫できる「城泊」の動きが各地で見られます。
城泊は、城などの建築物を持続可能な形で保全していくために、宿泊施設として活用する取り組みとされています。観光客は城への宿泊を中心に滞在型のコンテンツを体験することで、地域の伝統芸能や食文化などに触れ、地域をより魅力的に体感することができます。
城が所在する地域としては、シンボルとなる城を活用しながら滞在型のコンテンツを整備することで、持続可能な観光まちづくりを進め、文化財を「保全」と「活用」の両輪で次の世代へ継承していくことが可能になります。

城泊の取り組み

後間
とても魅力的な取り組みですね。実際の事例なども教えて頂けますか?

宮里
長崎県平戸市の懐柔櫓は復元された鉄筋コンクリート2階建ての建物です。かつては倉庫として利用されていましたが、平戸市がインバウンド需要を見込んで1億2000万円をかけて改修しました。
ホテル運営会社が懐柔櫓を借り受け、内装工事を行い、宿泊施設としてリフォームしました。室内は高級ホテルのスイートルームのようなたたずまいです。宿泊は1日1組限定で完全貸切、平戸の特別城主として非日常の気分を味わえる特別感を重視しています。首都圏の富裕層や外国人観光客からの予約も入っているそうです。

城泊の事例:長崎県平戸市

後間
歴史的建造物を使った今までにない取り組みでワクワクしますね。
こうした取り組みはお城以外の建物でも可能なのでしょうか?

宮里
はい。城泊は必ずしもお城や天守閣に泊まることだけを指す言葉ではなく、城をテーマに地域の歴史文化を体験してもらうコンテンツであるとされています。
官公庁が発表した歴史的資源を活用したまちづくりの事例では、古民家を利活用した宿泊施設など沖縄を含む全国の事例が数多く紹介されています。

後間
今後の展望に期待したいですね。今回は、「ホテル滞在を楽しむステイケーションのこれから」について宮里さんにうかがいました。

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