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長嶺 真輝

長嶺 真輝

“2連覇”に向け戦力充実、張本や上江洲らに中国トップ級選手も Tリーグ琉球アスティーダ、29日に開幕戦

琉球アスティーダ
整骨院のオープニングセレモニーに出席した琉球アスティーダの選手たち=26日、那覇市内

設立6季目となる卓球Tリーグの2023-24シーズンが29日、開幕する。

2022-23シーズンにクラブ2度目の王者に輝いた琉球アスティーダは、今季も張本智和と吉村真晴という日本トップクラスの二枚看板を中心に、うるま市出身の上江洲光志(天願小学校ー愛工大名電中学校ー愛工大名電高校ー愛知工業大学出身)や吉村和弘、有延大夢、濵田一輝らが脇を固める。オフには中国の元代表選手である周雨(シュウ・ユウ)と現役でナショナルチームに籍を置く徐晨皓(シュー・チェンハオ)を獲得し、戦力を充実させた。

琉球は29日に東京のアリーナ立川立飛で木下マイスター東京と対戦し、クラブ初となる2連覇への挑戦が始まる。

張本「完全優勝」での戴冠狙う

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開幕前に沖縄で合宿を行う選手たち=沖縄本島南部(琉球アスティーダ提供)

4チームがリーグ戦で競った昨季、琉球はレギュラーシーズンを12勝9敗(勝ち点45)の2位で終え、2連覇を狙う1位の木下マイスター東京とファイナルでぶつかった。

1勝1敗で迎えた第3マッチシングルスで張本がストレート負けを喫する番狂せが起こったが、第4マッチシングルスで吉村真晴が世界ランキングトップ5に入るウーゴ・カルデラノ(ブラジル)から3-2で金星を奪い、2勝2敗のタイに戻す。1ゲームで決する最後のビクトリーマッチで張本がカルデラノに11-4で勝ち、劇的な逆転勝利で2020-21シーズン以来となる王座に就いた。

昨シーズン琉球に加入し、最年少ながらチームをけん引した張本。今月26日に取材に応じ、2023-24シーズンに向けて「劇的な形でファイナルを勝てたので、その勢いを続けたい。ただ昨シーズンはレギュラーシーズンが2位だったので、今シーズンは1位を取り、プレーオフでも勝って完全優勝を目指します」と力強く宣言した。

個人としてはシングルスで15マッチを戦って13勝2敗だったことを念頭に「昨シーズンはレギュラーシーズンでのビクトリーマッチの1敗と、プレーオフの1敗を合わせて2敗をしてしまったので、全勝でチームに貢献したいです」と意気込んだ。

チーム内競争で「切磋琢磨」中国選手を刺激に

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チームの柱の一人として活躍が期待される吉村真晴(琉球アスティーダ提供)

新シーズンのTリーグ男子は静岡ジェードと金沢ポートの2チームが新規参入し、チーム数が6に増加。各チーム20試合ずつを行い、プレーオフ進出チームを決める。レギュラーシーズンの2位と3位によるセミファイナルを新設し、勝ち上がったチームが1位と年間王者を決めるファイナルを戦う。

昨季は9月開幕だったが、今季は国際大会などとの兼ね合いで開幕時期が1カ月以上前倒しとなった。3月の昨シーズン終了後も選手たちは様々な大会に出ているため、コンディション管理が難しいと見る向きもあったが、意外とそうでもないようだ。張一博監督が言う。

「開幕時期が早まったからといって状態が悪いということはありません。昨シーズンが終わってからも選手たちは練習や試合を続けているので、モチベーションを高く維持できています」

中国人選手2人が加入し、メンバー構成への手応えも大きい。「昨シーズンと比べたらかなり戦力アップしています。中国人選手がいるとファンにとって新鮮感があるし、加入するプレーヤーは中国代表でレギュラーの次に強いくらいの選手です。今は日本も強い国なので、みんなが一緒に練習し、切磋琢磨して強くなれるチームになると思います」と期待を示す。

張本と共に琉球を引っ張る吉村真晴も「張本と一緒に練習したり、試合を間近で見ていて学ぶことがたくさんある。新たに中国の選手もくるので、刺激をもらいながら成長につなげていきたいです」と展望する。その上で「残りの期間しっかりと準備をして、いい状態で開幕戦を迎えたいです。2連覇を目指して頑張ります」と力を込めた。

スウェーデンで優勝した上江洲「自信につながった」

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所属2シーズン目に入る沖縄出身の上江洲光志(琉球アスティーダ提供)

沖縄出身選手としては初のTリーガーである上江洲にも期待がかかる。昨シーズンは琉球の他、強豪国の一つとして知られるスウェーデンの1部リーグでもプレーし、エース格としてチームを優勝に導いた。得難い経験をしたことで「海外でうれしい結果を残せて自信につながったし、まだ選手としてモチベーションを高く維持できることも分かりました」と手応えを語る。

張監督も「まだ出番がどういう感じになるかは正直分からない」と前置きした上で、「彼はスウェーデンに行き、ヨーロッパと日本のプレーをミックスしていい感じになっていることは間違いない。ムードメーカーでもあり、強い選手です」と高く評価する。

昨シーズンは琉球でダブルス1試合のみの出場にとどまった上江洲。新シーズンに向け「プロ選手として、いつ出てもいいように一つ一つの試合に向けてしっかり準備をしていきたい。出場すれば、がむしゃらに、全力でプレーしていい流れを持ってきたいです」と意気込む。“うちなーTリーガー”のさらなる活躍に期待したい。

今シーズン、琉球が沖縄で行うカードは20試合中6試合。以下が一覧。

10月21日 vs金沢ポート@那覇市民体育館
10月22日 vs岡山リベッツ@同
12月23日 vsT.T彩たま@沖縄アリーナ
12月24日 vs金沢ポート@同
2月10日 vs静岡ジェード@那覇市民体育館
2月11日 vs木下マイスター東京@同

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