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OTV報道部

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今では定番の“持ち上げ”システム” がリニューアル後の市場でも人気 広めた台湾出身の料理人を取材

沖縄県民の台所として親しまれてきた、第一牧志公設市場。
いまでは定番となった、ある取組みが元祖となる店を取材した。

昔ながらの市場と新しい市場、両方が楽しめる

那覇市の国際通りのすぐ近くにある、第一牧志公設市場。
2023年、リニューアルオープンした。

戦後間もない頃に那覇市で始まった闇市を集約し、1950年に開設された。

沖縄の食文化を発信する拠点として、時代とともに変化しながら営業を続けてきた市場は、2023年3月に装いを新たにオープンした。

今回案内してくれたのは、市場に店を構えて40年近くになる、「お食事処ツバメ」三代目の張本英龍(はりもと ひでたつ)さん。

(Q.お店の方たちは、前の市場からそのまま来ていらっしゃる方が多いのですか?)

お食事処ツバメ 三代目 張本英龍さん
「ほとんどの店舗が昔から入っている店舗なので、昔ながらの市場と新しい市場の両方が楽しめると思います」

以前の市場から変わらず観光客に人気なのが、1階で購入した食材を2階の飲食店で調理してもらい食べることができる「持ち上げ」システムだ。

持ち上げシステムを利用した、ミラノからの男性観光客
「ベリーナイス」

持ち上げシステムを利用した、ミラノからの女性観光客
「新鮮で楽しいし、よいですね」

台湾で定番の「持ち上げ」が沖縄でも浸透

この持ち上げを最初に始めたとされているのが、市場に1985年から店を構える、「お食事処ツバメ」だ。

お食事処ツバメ 三代目 張本英龍さん
「これ、うちの店じゃない?」

お食事処ツバメ 二代目 張陳雪貞さん
「これツバメです!店をオープンしたばかりぐらいの映像ですね。だいたい37年前から、持ち上げが始まりました」

(Q. 台湾ではよくあるものですか?)

お食事処ツバメ 二代目 張陳雪貞さん
「そうです、あります。店の前に、魚が置いてあって、自分の好きなものを選び、そのあとから調理をしてもらいます」

張さんが生まれた台湾では、購入した食材で調理してくれる店があり、またツバメの当時の常連客からも市場で買った食材を料理してほしいと要望があったため、持ち上げを始めたそうだ。

しかし…

お食事処ツバメ 二代目 張陳雪貞さん
「たいへんでした。もうほとんど反対で、馬鹿なことをするなって言われました。お店のメニューがいっぱいあるのに、なぜそこまでやるのですかって言われました」

当初は、周りの食堂から猛反対されたが、市役所などの協力もあり、いまでは多くの食堂が持ち上げを導入しているそうだ。

実際に持ち上げを体験してみた。
まずは1階の鮮魚店で、食材を選ぶ。

魚久鮮魚 花城綾さん
「まず、アカジンミーバイ、まくぶ、あかまち、この3つが沖縄では三大高級魚と呼ばれるお魚になります。いまの時期だとヒメフエダイ、沖縄の方言でミミジャーといいますね。ミミジャーがいま肥えていておいしい時期でもあるので、おすすめです」

魚久鮮魚 花城綾さん
「ヒメフエダイはどのようにして、お召し上がりになりますか」

(Q.どうするのがおすすめですか?)

魚久鮮魚 花城綾さん
「1匹をひとつの食べ方ですともったいないので、2つに分けて、まずはお刺身。それからマース(塩)煮。2つに分けて食べていただくのがおすすめの食べ方ですね」

購入した魚は調理方法に応じてさばいてもらった後、2階の食堂へ持っていき、いよいよ料理開始だ。

お食事処ツバメ 二代目 張陳雪貞さん
「はい、お待たせしました。沖縄料理で、マース煮です。塩で煮込んでいて、さっぱり系でおいしいですよ。私も大好きです」

お刺身は、しょうゆにシークヮーサーを少し絞って食べるのがおすすめだ。

お食事処ツバメ 二代目 張陳雪貞さん
「笑顔でお客さんを迎えて、おいしいものを食べてから、笑顔で帰るようにしてほしいなと思います」

お食事処ツバメ 三代目 張本英龍さん
「そうですね。また来てもらえるようなお店にしていきたいですね」

県民にも観光客にも親しまれる、第一牧志公設市場。

人情味あふれる市場で、沖縄の食の魅力を堪能してみませんか?

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