「琉球トラウマナイトレジェンド2023」で描かれる、沖縄石垣島に伝わる「人魚伝説」とは…

8月29日（火）よる7時放送（沖縄テレビ）の「琉球トラウマナイトレジェンド2023」のストーリーには石垣島に伝わる人魚伝説が大きく関わっています。
今回はこの「人魚伝説」についてお伝えしていきます。

皆さんは「ザン」という言葉を聞いたことがありますか？
ザンとは方言でジュゴンや人魚を意味します。ザンは沖縄本島から奄美付近まで広範囲にわたって伝承が残されており、石垣島にザンにまつわる話が残されています。

－1771 年、石垣島の野底村で海の向こうから女の声が聞こえてきました。人々はそれを怖がりましたがその声の正体を確かめようと漁師たちが海へ向かいました。
すると漁師たちが仕掛けた網に不思議な何かがかかっていました。

それは体の長さが 2 メートル近くあり、上半身は人間、下半身は魚のようでした。
「ザンだ！ザンがかかったぞ！不老不死の薬を言われている！みんなで食べよう」
漁師たちは、早速料理の支度に取り掛かります。

そんな漁師たちにザンはこう言いました。
「私は海の外では生きられません。私を助けてくだされば、あなたたちの命を救いましょう。恐ろしい海の話をしてあげます。」と。
涙ながらに人魚が命乞いをするので、漁師たちはザンを海へ返してあげました。

ザンは逃がしてくれたお礼にと次のような事を漁師たちに言いました。
「まもなくこの村に津波がやってきます。そして村が壊滅します。すぐに山へ逃げてください」

漁師たちは急いで陸へ引き換えし、ザンの告げたことを知らせて村中を周りました。

ザンのいうことを信じたA村の人々は山上まで逃げましたが、隣のC村では誰も信じませんでした。

その日の夕刻…。
海が見たこともないほど浅瀬になり、水平線の彼方から巨大な壁のような津波が押し寄せてきました。
ザンの言うことを信じ、山へ逃げたA村の人々は生き延び、お告げを信じなかったC村の人々は大津波に飲まれ壊滅してしまいました。－

これが 1771 年（明和 8 年）4 月 24 日に起きた「明和の大津波」と言われています。
石垣島の崎原公園という場所には今でもその明和の大津波により、陸まで運ばれたとされる「津波大石」が残ってます。推定 500 600 ∼ トン以上の大きな岩です。

明和の大津波に襲われたあとにも津波によって衛生環境の悪化や冠水による作物の不作等で多くの人が亡くなってしまったそうです。
津波は記録に残っていますが、ザンは不確かな部分もあります。

ザンのお告げ…みなさんは信じますか？

琉球トラウマナイトレジェンド2023

【番組概要】
人気ホラーシリーズ「琉球トラウマナイト」が今年も放送！
今回放送するのは、沖縄に古くから伝わる昔話や伝承を現代風にドラマ化する「レジェンド」！
2023年8月29日（火）よる7時より沖縄テレビ8チャンネルにて放送！
暑いこの季節、背筋も凍る恐怖体験をお見逃しなく！

番組情報はこちら