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くらしと経済編集部

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「放置竹林」を宝の山に変える 様々なアイデア

後間
こんにちは。後間秋穂です。
人の手によって植えられた竹林の中で管理されず放置されたままの「放置竹林」。
今回はその放置竹林を活用するさまざまなアイデアについて野村證券那覇支店支店長の宮里洋介さんにうかがいます。よろしくお願いします。

宮里
よろしくお願いします。

後間アナと宮里支店長2ショット

後間
今回のテーマである「放置竹林」ですが、全国各地で問題となっているのでしょうか?

宮里
はい。実は今、国内で放置竹林が増えているんです。
戦後、タケノコ栽培が盛んとなり多くの竹林がつくられましたが、プラスチック製品の普及や、安価な輸入タケノコの流入などによって竹の需要が縮小しました。

また林業の担い手不足もあり竹林の管理が行き届かなくなってしまいました。
こうして放置された竹林が森林や空き地などを占拠することにより「放置竹林の拡大現象」として問題視されるようになっているのです。

林野庁によりますと、2017年時点の日本の竹林全体の面積は約16万7000ヘクタールで、2012年の前回調査時から約5300ヘクタール、東京ドーム約1139個分も増加しています。

後間
なるほど。どんどん問題が深刻化しているんですね。

宮里
はい。竹林は成長が早いという性質があり、実はその性質が竹による害、いわゆる「竹害(ちくがい)」をもたらしています。

例えば竹がスギやヒノキといった成長が遅い樹木の林に入り込むと、日光を遮って他の樹木の成長を妨げ、植物の多様性を損なう恐れがあります。また、竹の地下茎(ちかけい)の深さは30センチ程度と大変浅いため、大雨などで竹林ごと地盤が滑り落ち大規模な土砂災害を引き起こす恐れがあります。

さらに、管理された竹林と違って放置竹林の場合、枯れた竹や倒れた竹で景観を損いますし、人が立ち入らないため不法投棄の温床になったり、イノシシなどが棲みついて農業に被害をもたらしたりする恐れもあります。

放置竹林による主な竹害
放置竹林による主な竹害

後間
放置竹林は多方面に影響があるんですね。何か解決策はありますか?

宮里
農薬などを使って竹を除去するなどの方法もありますが、むしろ今、資源として有効活用しようという取り組みが全国各地で進んでいます。

例えば山口県のベンチャー企業では竹の特性を活かす製品の開発をしています。
竹の繊維から作ったタオルや、竹の成分からつくった洗濯用洗剤、虫除けスプレーを製造しています。竹は近隣の竹林から計画的に調達し、地元の高齢者を積極的に雇用するなど、竹を地域貢献に活かす経営が同社の特色です。

そのほか、放置竹林の竹で国産メンマを生産するという取り組みもあります。
メンマは、国内消費量の99%が輸入品といわれていて、この国産メンマづくりが広がれば放置竹林の整備と食料問題解決の両立を図ることができます。

放置竹林の有効活用
放置竹林の有効活用

後間
アイデア次第では放置竹林も資源として活用することができるのですね。
今回は「『放置竹林』を活用する様々なアイデア」について宮里さんにうかがいました。ありがとうございました。

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