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くらしと経済編集部

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ゴミ問題解決に向けて多様化する アプローチ

後間
こんにちは。後間秋穂です。
今回は「ゴミ問題解決に向けた多様化するアプローチ」について野村證券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺います。よろしくお願いします。

宮里
よろしくお願いします。

後間
世界中で環境問題に取り組んでいる中でも重要な課題であるゴミの問題、その解決に向けて、様々なアイディアが出てきているんですよね?

宮里
ゴミの削減に向けてユニークな取り組みも出てきているんです。本日は、そのなかからいくつかの事例をご紹介したいと思います。その前に、日本のゴミの量について確認しておきましょう。
環境省の調査による日本のごみ排出量ですが、2021年度の国内のゴミの総排出量は、4095万トンで、そのうち、家庭から出る「生活系ゴミ」が、2925万トンで全体のおよそ71%を占め、「事業系ゴミ」が1171万トンとなっています。ここ数年、総排出量とともに減少傾向が続いていますが、年間の総排出量4095万トンは、東京ドームおよそ110杯分に相当する量で、膨大なゴミが排出されている状況に変わりはありません。地球温暖化の防止や脱炭素社会の実現に向けて、ゴミを減らし、ゴミを出さないことの重要性はますます高まっていると言えます。

日本のゴミ排出量推移

後間
では、ゴミ削減に向けて一体どのようなアプローチがあるのでしょうか?

宮里
愛媛県今治市の染色会社では、タオル染色の過程で発生する綿ぼこりをキャンプ用の着火材として売り出しました。綿ぼこりは燃えやすく火事の原因となるため、こまめに取り除く必要がありますが、この「燃えやすい」という性質を逆手に取るアイデアでゴミをヒット商品に変えたのです。2023年7月の時点で、発売当初の20倍超の売り上げになっているということです。
また、ゴミ拾いをスポーツに変えるという独創的な取り組みもあります。街なかのゴミを3人1組で1時間集め、その集められたゴミを種類ごとに決められたポイントに換算して合計点を競うという競技です。2008 年に第1回の大会が開催されて以降、この15年間に全国でおよそ1200回もの大会が開催され、延べ13万人が参加する一大イベントになりました。2023年には、20ヵ国の代表が競うワールドカップが開かれます。ゴミ問題について、スポーツを入り口にすることで、日常の意識や行動を変えるきっかけになりやすい取り組みと言えます。

後間
スポーツにすると誰でも楽しく参加できるので非常に面白い取り組みですね。その他にも取り組みがありますか?

宮里
神奈川県鎌倉市のスタートアップ企業では、飲食店のテイクアウトで出る容器のゴミを減らすために始めました。同社が加盟店にリユース容器を提供し、来店客はその容器で料理を持ち帰って、購入店か地域内の加盟店や専用の返却ボックスのいずれかに返却するというシステムです。容器が加盟店の間で循環するため、使い捨て容器の削減につながります。企業と消費者が、ゴミ問題についての意識を高め、様々なアイデアを持ち寄って、ゴミ削減に向けての努力を重ねることで、ゴミ削減にとどまらず、地球温暖化の問題にも備えていきたいところです。

ゴミ問題解決の新たな動き

後間
私たち消費者一人ひとりができることも、たくさんありそうですね。今回は「ゴミ問題解決に向けて多様化するアプローチ」について宮里さんに伺いました。ありがとうございました。

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