公開日
くらしと経済編集部

くらしと経済編集部

若い世代がけん引役!?ノンアルコール飲料市場

小林
こんにちは。小林美沙希です。
ノンアルコールビールやハイボールテイスト等ノンアルコール飲料の種類が豊富で市場も活気づいているようです。
今日はノンアルコール飲料の最新事情について野村証券那覇支店支店長の宮里洋介さんに詳しく伺います。
宜しくお願いします。

宮里
よろしくおねがいします。

若い世代がけん引役!?ノンアルコール飲料市場

小林
ノンアルコール飲料と言えば、はじめはノンアルコールビールぐらいでしたが、今はとても種類が豊富になりましたよね。

宮里
そうですね。
ちなみに日本の酒税法ではアルコール量が1%未満であれば、「ノンアルコール」に分類されるのですが、日本のアルコールメーカー各社は自主的に「アルコール0・00%」の飲料だけを「ノンアルコール」と定義しています。

若い世代がけん引役!?ノンアルコール飲料市場

なかでもノンアルコールビールは2009年に誕生して以降徐々に売り上げを伸ばし、今では4倍近くにまで伸びている事がわかります。
この一方でビール類の出荷量は減少傾向が続いています。

小林
ノンアルコールビールが好調な背景には何があるのでしょうか?

宮里
そもそもは「飲酒運転を撲滅したい」というメーカーの思いや車を運転する人等「飲めない事情がある」というニーズに応える為に登場しました。
近年では「特定保健用食品」に含まれる分野の商品も登場した他、ワイン風味やサングリア風味などバリエーションが増えています。

小林
新型コロナウイルスの感染拡大によって在宅時間が増える中で健康への意識が高まった影響もありそうですね。

若い世代がけん引役!?ノンアルコール飲料市場

宮里
そうですね。
自宅でノンアルコール飲料を飲む人の比率を調査したところ、週一回以上飲んでいる人は22・2%、月一回以上飲んでいる人は38.2%と頻度も高くなっている事がわかりました。
この他、「緊急事態宣言」によってお酒の代わりとして出す飲食店での需要が高まった事も認知向上につながっていると考えられています。

小林
新型コロナ感染拡大が収束した後も、アルコールと上手に向き合う為の選択肢として定着していきそうですね。

宮里
そうですね。
欧米に目を転じると、既にそうした変化が起こっています。
ドイツの調査会社によると2020年、全世界のノンアルコール飲料の総売り上げは1兆ドル・およそ107兆円に達し、向こう5年、市場の年平均成長率は6.8%になると予測しています。

小林
ノンアルコール飲料市場の拡大は世界的な傾向なんですね。

若い世代がけん引役!?ノンアルコール飲料市場

宮里
はい。
市場の拡大以外にもアルコールに向けられる視線が厳しくなっている事も要因にありそうです。
例えばWHO・世界保健機関がガンなどの健康リスク要因にはアルコールの有害接種があるとして、世界の国と地域が取り組むべき10領域の施策をまとめた「アルコール世界戦略」を採択しました。
今後WHOがアルコールに対する規制をさらに強化する事も予想されていて、環境・社会・企業統治の側面から企業を評価して投資する「ESG投資」の観点からもメーカーはノンアルコールや低アルコール商品を拡充する事が求められるという見方もあります。

小林
ノンアルコール飲料はお酒が好きな人と、お酒を飲まない人が、共に楽しむための橋渡しをする存在になっていきそうですね
宮里さん、ありがとうございました。

あわせて読みたい記事

HY 366日が月9ドラマに…

あなたへおすすめ!