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長嶺 真輝

長嶺 真輝

琉球ゴールデンキングスが「欧州クラブ」から招待された“真の価値” 安永淳一GMに聞く、イタリア遠征の意義とは

琉球ゴールデンキングス_イタリア遠征
「沖縄を世界へ」を掲げる琉球ゴールデンキングスの安永淳一GM=8月16日、沖縄アリーナ(長嶺真輝撮影)

8月5日、プロバスケットボールBリーグの琉球ゴールデンキングスから衝撃の発表があった。

イタリア1部「セリアA」に所属するクラブから招待を受け、9月7、8の両日に同国南部のシチリア島で開かれる国際トーナメントに参加する、というものである。キングスを含め、イタリアからトラパニ・シャーク(創設1964年)とデルトナ・バスケット(同1955年)、セルビアリーグ「KLS」からパルチザン・ベオグラード(同1945年)の計4チームが参戦する。

各国のシーズン開幕前に行われるプレシーズンゲームで交流色の強い大会ではあるが、極めてレベルが高い欧州で開かれる国際試合にキングスが参戦するのは史上初であり、Bリーグ全体を見ても例がない。

アジアNo.1の球団を目指し、「沖縄を世界へ」を掲げて新たな挑戦へと踏み出すキングス。チームを率いる安永淳一GMにイタリア遠征の意義を聞いた。

世界「第2のメッカ」である欧州 NBAでも際立つ存在感

琉球ゴールデンキングス_イタリア遠征
NBAで3度のMVP受賞を誇るニコラ・ヨキッチ(中央)ら、パリ五輪銅メダルのセルビア代表メンバー©fiba.basketball

キングスの話を書く前に、欧州のバスケットボールについて触れておきたい。その方が、今回の遠征の価値をより的確に捉えられるはずだ。

世界的なスポーツであるバスケにおいて、強豪国がひしめく欧州のレベルはNBAがある米国に次いで高い。安永氏も「第2のメッカ」と評する。

日本が21位だったFIBA(国際バスケットボール連盟)の最新ランキングでは、トップ20のうち実に13カ国が欧州。イタリアは14位、セルビアは2位につけた。今夏のパリ五輪も、ベスト4に入ったのは金メダルを獲得した米国から順に、フランス、セルビア、ドイツと続き、3カ国が欧州だった。

各国リーグのトップチームが一堂に会し、欧州No.1を決めるヨーロッパ最高峰リーグ「ユーロリーグ」も毎年開催されており、切磋琢磨しながら強さを磨いている。

選手はサイズやフィジカルに優れ、さらに高いシュート力と的確な判断力を兼備するプレーヤーが多い印象だ。米国に比べ、コーチの戦術がより優先される文化なため、クラブ、代表ともチームバスケの完成度が高いことも特徴の一つだろう。

年々国際化が進むNBAにおいても欧州出身選手の存在感は極めて大きい。NBAは全体で最大450人がロスター入りできるが、直近の2023-24シーズンは開幕時点で史上最多の125人が米国外出身の選手だった。そのうち、欧州出身が半分以上の64人を占めた。

過去5シーズンの最優秀選手賞(MVP)は、ニコラ・ヨキッチ(セルビア)とヤニス・アデトクンボ(ギリシャ)が2人合わせて4回受賞。ルカ・ドンチッチ(スロベニア)らを含め、チームの顔役を張る選手も増えてきている。

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