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アートに垣根はない!障がい者の就労を支援するドアレスアートとは!?
目次
──今回はブルームーンパートナーズの伊波恵子さんとお伝えします。
伊波さん
「今回のテーマは『アートで障がい者の就労を支援!』です」
沖縄県内の2023年の障がい者雇用状況について、沖縄労働局によると民間企業での障がい者の実雇用率は3.24%と過去最高を更新し、2年連続で全国1位となっているんです。
障がいの特性にあわせたさまざまな働き方がありますが、今回は『アート』に焦点をあてて障がい者の就労を支援する取り組みを取材しました。
垣根がない“ドアレスアート”とは?
まずお話を聞いたのは、障がいのあるアーティストの活動をサポートする「ドアレスアートオキナワ」の呉屋マリヤ代表です。
ドアレスアートオキナワ 呉屋マリヤ 代表理事
「障がいという言葉自体をそもそも表に出してアートを出していくという方向性ではなくて、垣根がない、要は健常者アートは健常者アートとは呼ばないので別名で障がい者アートではなく、ボーダレスなドアレスアートという形で“ドアレス”という名前をつけた次第です」
2022年に発足し、展示販売会を中心に活動していて、現在は沖縄在住のアーティスト30人ほどが所属しています。
ドアレスアートオキナワ 呉屋マリヤ 代表理事
「展示だけではなくて、第三者に絵が渡るためのステージを用意するような。(絵を購入してもらった)代金をアーティストの方に還元をするという活動をメインにしています」
団体を作ったきっかけは、呉屋さん自身が展示会で見た障がい者の方のアートを購入できなかったことだったそうです。
ドアレスアートオキナワ 呉屋マリヤ 代表理事
「金額がつけられないとかやり方がわからない。販売がまずできるかどうかもわからない。『自分の絵がまず売れますか?』って過小評価をしている」
ドアレスアートオキナワ 呉屋マリヤ 代表理事
「第三者団体を作ることによって、行政が難しいところを、ここが担ってどんどん(アーティストの)発掘・発信ができれば、“アートでの循環型の社会”という形を進めていけるかなと思っています」
国内外から依頼を受けるドアレスアーティスト
ドアレスアートオキナワに所属するJYABAMI(ジャバミ)さん。
アメリカのファッション誌に掲載されたこともあり、国の内外から依頼を受けています。
ドアレスアーティスト JYABAMIさん
「私の中でネガティブな感情と言われるものと、ポジティブと言われる感情を同じ1人の中に入れることで、どっちも捨てずに共存して生きていくみたいなものを伝えたかったので、反対する色が隣にあったりする」
ジャバミさんは自閉症スペクトラムと、ストレス性のPTSD、躁鬱(そううつ)と向き合いながら活動しています。
Q.所属して良かったと思うことは
ドアレスアーティスト JYABAMIさん
「一番大きいのは、絵以外のことをやってくれること」
ドアレスアーティスト JYABAMIさん
「絵を描くのは没頭したりできるんですけど、それをどうやって発信していくとか、展示先を見つけるとかそれ以外のことがとっても下手なので」
ドアレスアーティスト JYABAMIさん
「とは言っても、障がい者としてという扱いよりも、いちアーティストとして対応して、受け入れてくれつつ、大丈夫ですかという声かけをしてくれるのが、安心があるのでそういう安心感もすごく助かっています」
ドアレスアートオキナワの今後の目標は…
ドアレスアートオキナワ 呉屋マリヤ 代表理事
「まず、ドアレスアートというこの名称自体を広めていきたい」
ドアレスアートオキナワ 呉屋マリヤ 代表理事
「そこからやっぱりアートの世界を切り口として、アートの方面からでも、そういう方々を、自立支援のためにサポートができるんだという社会的なベクトルを、道筋として作れたらなと思っています」
これまでにないオープンな就労継続支援事業所
さらに、このドアレスアートとも提携する就労継続支援事業所にも取材に行ってきました。
那覇市ののうれんプラザにある『TAMAMONO(タマモノ)』。
ここでは精神や身体に障がいのある人たちが簡単な作業を通して、一般就労に向けた訓練をしています。
Q.明るくてオープンなイメージがあるんですが、何か理由があるんでしょうか
TAMAMONO 伊藤史絵 代表取締役
「暗い所でずっとシールを貼るのも、もしかしたら集中できていいのかもしれないですけど、こういった作業があるんだなというのをもっと一般の方に見てもらいたいな。それがまた、もしかしたらお仕事の受注に繋がるかもしれないという、そういった効果も私は考えて、あえてこういったオープンな形に作りました」
TAMAMONOでは作業の中でも“アート”に携わってもらうことを大切にしていて、ドアレスアートオキナワに所属しているアーティストもいます。
TAMAMONO 伊藤史絵 代表取締役
「びっくりするような、素晴らしい絵を描かれます。『本当にこれ利用者さんが作ったの?』という声がめちゃくちゃ多くて。やっぱり障がい者に対するイメージを変えていけるものだなと実感したんですね」
TAMAMONO 伊藤史絵 代表取締役
「こういった自立の方法があるんだなと知ってもらうだけでも、未来が変わるんじゃないかなと思っているんです」
TAMAMONO 伊藤史絵 代表取締役
「そのため、もっと多くの人に見ていただくにはと思ったときに、大きな箱で(展示会を)やりたいなという夢はあります」
だれもが生き生きと働ける世の中にしていくために。
アートを通した取り組みが広がっています。
今日の一言
──さて伊波さん、今回のテーマから見えてきたことはなんでしょうか。
伊波さん
『生きる力』です。
障がいの有無にかかわらず、何がしたいのか?何ができるのか?
それぞれの立場で見つけ出し、働くことの喜びや支え合うことの大切さに改めて気づかされました。多様性の時代だからこそ生きる力をしっかり持ち、今後も支援の輪と障がい者雇用が広がっていってほしいと願っています。
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