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くらしと経済編集部

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地域、農家、観光客を元気にする「アグリツーリズム」

小林
こんにちは。小林美沙希です。
旅行客のニーズの変化に伴い、農業と旅行をかけ合わせたアグリツーリズムが注目を集めているようです。
その最新事情について野村証券那覇支店支店長の宮里洋介さんに詳しく伺います。宜しくお願いします。

宮里 
宜しくお願いします。

地域、農家、観光客を元気にする「アグリツーリズム」

小林
「アグリツーリズム」とは、具体的にはどのようなものなのでしょうか。

宮里
「アグリツーリズム」は、都市部に住む人が地方の農村や農場まで旅行し、農業体験や収穫体験、獲れたての食材を使った料理体験など、農村部でしか味わうことができない貴重な体験を楽しむ観光スタイルです。都市部ではなかなか体験できない体験活動を求める家族や、農業活動に興味がある若者などに関心が高まっています。

小林
なるほど。
なぜ、アグリツーリズムの関心が高まってきているのでしょうか?

宮里
近年、観光客の消費傾向が変化してきており、買い物などの「モノ」よりも体験やアクティビティにお金をかけたいと考える人が増え、いわゆる「体験消費」の傾向が強まっていることがあげられます。民間の調査会社によると、世界のアグリツーリズムの市場規模は、2019年におよそ425億ドルだったのに対して2027年にはおよそ1.5倍の630億ドルに達すると予測されています。

日本のアグリツーリズムの市場規模においては2021年現在、500億円~1000億円前後といわれており、新型コロナウイルスの流行で観光産業の伸びが鈍化していますが、従来の予測では2025年までに1.5倍に達するとみられています。

拡大するアグリツーリズム市場

小林
世界全体で市場規模が拡大しているのですね。
アグリツーリズムのメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?

宮里
まず、農村の地域活性化です。都市部からの観光客に農作業の体験や、地元ならではの食事を提供し、農村地域の魅力を伝えることで、交流人口の増加にも繋がり、地域経済の活性化に繋がります。

次に、農家の所得向上・経営安定化です。アグリツーリズムで観光客を呼び込むことは、農家が宿泊業の役割も担うため、経営安定化にもつながります。

続いて、住民が地域の魅力を再発見する機会となることです。農村地域の住民が観光客へ周知したり、体験メニューを作成したりすることで、自身の生活文化を見つめなおすこととなり、地域の魅力の再発見につながります。

アグリツーリズムのメリット

小林
具体的には各地域でどのような取組みが行われているのでしょうか?

宮里
大分県宇佐市では、都市住民を農村家庭でもてなし、家族とともにありのままの農家ライフを満喫できる農村民泊が人気です。各農家が受け入れる観光客は、「1日1組のみ」と、距離の近さが他にはない魅力となっています。

県内においても東村のコーヒー農園にてコーヒー収穫体験を開催しています。自分の手で摘み取り、焙煎し、抽出した沖縄県産コーヒーを味わうことができ、注目を集めています。

各地域におけるアグリツーリズム

小林
各地域の魅力を活かしたアグリツーリズムが実施されているのですね。地域活性化にもつながる新たな観光業として今後もアグリツーリズムの動向が楽しみです。

宮里支店長ありがとうございました。

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