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OTV報道部

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妊婦療養者「最悪の事態しか浮かばない」 自宅療養者の現状と課題 オミクロン株の感染急拡大で

自宅療養者が約9000人まで急増

沖縄県内での新型コロナウィルス・オミクロン株の感染急拡大を受け、2021年1月1日には32人だった自宅療養者の数が、17日には8993人と急増。
その時からは減少しているものの、1月31日現在で自宅療養者は6530人に上っている。
現状と課題についてお伝えする。

妊婦療養者「最悪の事態しか浮かばない」 自宅療養者の現状と課題 オミクロン株の感染急拡大で

県の自宅療養管理センターでは、県の職員や看護師が療養者の健康観察や食料支援などを行い、必要に応じて医師が入院か医療機関の受診を案内する。最も多い時で150人態勢で対応にあたっているが…

県感染症対策課患者管理班 本永誠治さん:
健康観察に直接携わる職員なんかは夜中の2時3時まで業務をして、そういう状況だったので、この(感染の)波に対応できる態勢だったかというと、どうしても厳しい状況だったのかなあというふうに思っております

妊婦療養者「最悪の事態しか浮かばない」 自宅療養者の現状と課題 オミクロン株の感染急拡大で

県は、血液中の酸素飽和度を測るパルスオキシメーターを発送し、体調の急変を見逃さないよう呼びかけている。

県感染症対策課患者管理班 本永誠治さん:
一番気をつけてほしいのが、顔色が明らかに悪いとかですね、配っているパルスオキシメーターで(酸素飽和度)93%以下になった場合とかですね。急に息が苦しくなったというようなことで、呼吸症状がやっぱり一番注意していただきたい

パルスオキシメーターについて、県は医療機関からの情報を得た翌日には発送するよう努力しているとしているが、必要な時に届かなかったとして療養者からは不安の声も漏れる。

「必要なタイミングで届かない」パルスオキシメーター

家族5人全員が感染し、自宅療養を経験した那覇市に住む40代の男性は・・・

自宅療養を経験した40代男性:
(発送作業も)すごく頑張っていただいているのがわかるんですけど、一番必要なタイミングに、それが届いていない

妊婦療養者「最悪の事態しか浮かばない」 自宅療養者の現状と課題 オミクロン株の感染急拡大で

男性は、1月10日に発熱したため医療機関で抗原検査を受け、陽性となった。しかし、すぐにPCR検査を受けられず、2日後に陽性が確定。それから2日が経った14日に、パルスオキシメーターが自宅に届いた。
その時には症状も安定していたため、もっと早くほしかったと本音を吐露する。

妊婦療養者「最悪の事態しか浮かばない」 自宅療養者の現状と課題 オミクロン株の感染急拡大で

また、自身が高熱で辛かった時に、子ども3人のPCR検査を受けられる医療機関を探さなければならなかったとして、行政にこう要望した。

自宅療養を経験した40代男性:
(必要な情報を)みんなが把握できるように情報を一元化しておくこと

県は1月25日から、40代以下は抗原検査のみで陽性を確定出来るようになったため、パルスオキシメーターをより早く届けられるとしている。ただ、県民からの返却率が75%に留まっているとして、療養後はすぐに返却するよう呼びかけている。

妊婦の患者「最悪の事態しか浮かばない」

妊娠7か月で感染し、39度の高熱となるも自宅療養を余儀なくされた30代の女性は、メールで取材に応じてくれた。

妊婦療養者「最悪の事態しか浮かばない」 自宅療養者の現状と課題 オミクロン株の感染急拡大で

30代妊婦のメールからの抜粋:
1月4日、夜中に39度まで熱が上がり、ひたすら受診できる病院を探す

妊婦療養者「最悪の事態しか浮かばない」 自宅療養者の現状と課題 オミクロン株の感染急拡大で

翌日 検査を受けられたものの、入院は出来ず…発症から4日目、女性は一時、酸素飽和度が91%となり、県のセンターに連絡。
すぐに病院に連絡を入れるよう指示されるも、病院からの返答は「受け入れできない、胎動があるようなら様子をみるように」というものだった。

妊婦療養者「最悪の事態しか浮かばない」 自宅療養者の現状と課題 オミクロン株の感染急拡大で

30代妊婦のメールからの抜粋:
最悪の事態しか浮かばない。赤ちゃんに酸素は届いているのかな…入院したい

妊婦療養者「最悪の事態しか浮かばない」 自宅療養者の現状と課題 オミクロン株の感染急拡大で

女性は20日間 自宅療養を経て回復するも、腹部の張りは続いていて、メールは「医療機関が逼迫しているのは重々承知しているが、一刻を争うとき赤ちゃんは助かるのか…」という不安の言葉で締めくくられていた。

妊婦療養者「最悪の事態しか浮かばない」 自宅療養者の現状と課題 オミクロン株の感染急拡大で

この現状について、群星沖縄臨床研修センター所長の徳田安春医師は、「このパンデミックは、災害マンパワーが限界を迎えている現状では、県民一体となっての協力が必要。軽症者であっても重症化リスクが隠れている場合もあるため、家族や周囲の人との連絡をとれるようにし、異変がある場合は早期受診につなげることが肝要」としている。

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