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長嶺 真輝

長嶺 真輝

「負けを意味あるものに」岸本隆一の覚悟が現実に…貯金6で序盤戦終了、琉球ゴールデンキングスが歩む“正常な成長”のプロセス

「戻ってきた」キングス本来のスタンダード

「負けを意味あるものに」岸本隆一の覚悟が現実に…貯金6で序盤戦終了、琉球ゴールデンキングスが歩む“正常な成長”のプロセス
ジャック・クーリーがファウルをもらいながらゴール下シュートをねじ込み、喜びを爆発させる岸本隆一や佐土原遼ら=11月16日(長嶺真輝撮影)

11月15、16の両日にあった京都ハンナリーズとのホーム戦。キングスは91-76、85-71でいずれも勝利し、その前の12日にアウェーであった大阪エヴェッサ戦を含めて3連勝でバイウィークに入った。

京都との初戦後、岸本が記者会見に登壇した。開幕戦で発した“あの言葉”を体現でき始めている感触はあるか——。そう問うと、表情に確かな手応えを宿しながらこう語った。

「はい。現時点ではすごく生きてると思います。(序盤戦の)ああいう戦いをしてしまうと、プレーの強度を上げるとかの内容というよりも姿勢の部分の話になってきてしまうので、試合の意味を見出しにくい。(スタンダードが上がってきたことで)序盤の不甲斐ない負けが自分たちにとって意味のあるものになりつつあるんじゃないかと思っています」

開幕節の時、桶谷大HCもチームに対して「謙虚さがない戦いをしている」「スカウティングに対して真摯に取り組んでいない」と厳しい評価を口にしていた。

確かに、その時はディフェンスのエナジー不足や集中力の欠如による簡単なミス、勝負所で相次ぐターンオーバーなど、泥臭さや我慢強さが武器のキングスらしくない部分が散見されていた。

誰が出ても落ちないディフェンスの強度、コート内外のコミュニケーション、試合中のアジャスト、最終盤での勝負強さ。中二日で土日の2連戦と水曜ゲームを繰り返す過密日程だった18試合の中で徐々に“らしさ”を取り戻し、昨シーズンまでに積み上げてきたチームのスタンダードに追い付いてきた。

全試合で先発を務める岸本はこうも言った。

「スタンダードは『上がってきた』というより、昨シーズン積み上げたものに『戻ってきた』に近いですかね。ディフェンス強度もそうですし、オフェンスがうまくいっていない時、試合中にアジャストできるようになってきました。そこは、シーズン最初の頃とは大きく違う部分だと思います」

現在、オフェンスレーティング(100回オフェンスした時の平均得点)は119.4点で全26チーム中4位、ディフェンスレーティングは(100回ディフェンスした時の平均失点)は7位の108.3点。いずれも上位につけており、改善は数字にも表れている。

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