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沖縄の絶景ピザスポット「ピザ喫茶 花人逢(かじんほう)」で過ごす至福の時間(本部町)
那覇空港から車でおよそ1時間半〜2時間。沖縄本島北部・本部町の高台に佇む「ピザ喫茶 花人逢(かじんほう)」は、美ら海水族館や備瀬のフクギ並木にもほど近く、北部ドライブの立ち寄り先として人気の一軒です。
1998年の創業から、「花に逢う、人に逢う」の想いを受け継ぎながら歩んできた「花人逢」。花や木々、人との出逢い、そして広がる景色が心を癒し、訪れる人の時間をやさしく包みます。
オープン当初から変わらない自家製ピザの味わい。そして、大きく広がる海と空の眺めが生み出す開放感。自然の心地よさに惹かれて、地元の人々や観光客が足を運び続け、2025年で28年目を迎えました。
記事の最後には、美ら海水族館から「花人逢」までの道のりを紹介するYouTubeリンクを掲載しています。北部ドライブの計画に、ぜひ役立ててみてください。
目次
もう1枚おかわり!といいたくなる「ピザ喫茶 花人逢(かじんほう)」のピザ
「花人逢」といえば、自家製ピザ!丸々一枚食べ切っても思わず「うまい!もう一枚いける!」と思えてしまうほど。一見シンプルに見えて、食べると忘れられない味です。
焼きたてが運ばれてくると、ガーリックの香りがふわっと立ちのぼり、食欲を刺激します。
厚めの生地は、外はカリッと香ばしく、なかはふんわりもちもち。季節ごとに小麦粉と水のバランスを変え、具材をしっかり支える生地を仕込んでいます。
焼きたてを前にすると、早く食べたい気持ちで胸がいっぱいになります!
焼きたての一切れを引き上げると、チーズがのびて思わず笑顔に。
ピザ生地の上には、自家製のトマトソース、ポチギ(沖縄のソーセージ)、ベーコン、玉ねぎ、ピーマン、コーン、馴染みのある食材が彩りよくならびます。
秘伝の配合から生まれた「花人逢」オリジナルチーズは、しっかりとした存在感と深いコクが特徴。ほかの食材やピザ生地との相性も抜群で、一口ごとに旨みが広がります。
この特別な風味は、きっと「花人逢」でしか味わえないはずです。
ここで店主・久場兼作さんよりワンポイントアドバイス!
ピザを持ち上げるときに卓上にある割り箸を生地の下にいれ、上にすくいあげると型崩れを防ぎ、手も汚れず食べやすいのだとか!
まだまだお楽しみはこれから♪
卓上にならぶ「マリーシャープス」のハバネロソースで、ピザの味わいに深みをプラスしていきましょう。
右側の赤いホットをひとふりすれば、ほどよい辛さがトマトソースの酸味と重なり、野菜の旨みをぐっと引き立てます。香ばしい生地のあとに、ハバネロ特有のスッと抜ける辛味が追いかけてきて、思わずもう一口。辛いのが少し苦手な方でも、素材の風味を損なわずに楽しめる心地よい刺激です。
そして左側のグリーンホットは、ウチワサボテンが醸し出す爽やかな風味が特徴。トマトソースの酸味を引き立て、ピザ全体が一段と軽やかに。
2種類のソースを食べ比べてみると、同じピザとは思えないほど表情が変わるのがおもしろいですね。ぜひ、試してみてください♪
「うわぁ~」と感動せずにはいられない「ピザ喫茶 花人逢(かじんほう)」の店内外の絶景
緑のなかから顔を出す赤瓦の「花人逢」。坂道を登りながら沖縄の草木、周囲を飛び交う蝶を見ながらゆっくりと坂道を歩きます。
右側は民家なので間違えて入らないように気をつけましょう!左側から入っていきます。
OPEN前から行列ができるのも珍しくないので、待ち時間を日陰で過ごせるように赤瓦の屋根付休憩所があります。
とおり抜けると「花人逢」です!
快晴の取材日、大きく広がる空に目をうばわれながらも、右上に目を向けるとシーサー。そして、貫禄のある母屋が姿を表します。
母屋は年季を感じる赤瓦の屋根と太い木柱が印象的です。
本部町伊豆味にある、店主・久場兼作さんのお父さまの実家から、柱を再利用して建てられたそう。
庭園のところどころにあるシーサーは、久場さんのお母さまが趣味で集めたものや久場さんご自身で作ったものだそうです。
目の前に広がる透きとおった青空ときれいな水平線。晴れた日であれば瀬底島、伊江島、水納島がはっきりと見える、まさに絶景です。
日本昔話を思い出させるような「和」の世界観と重厚な家具であふれている店内。アンティーク家具や手作り感のあるローテーブルがならぶ居心地のいい空間です。
風が吹き抜ける縁側に座ると、目の前には青い海と空、そして遠くでゆっくり動く雲。
今回は縁側でピザとドリンクをいただきました。
扇子に書かれた手書きメニューが趣深い!
メニューはピザ1種(サイズ中と小)・サラダ1種・ドリンク(アルコール・ノンアルコールとソフトドリンク)・デザート1種。
扇子に書かれたメニュー表を思いついたのは初代・久場さんの母。日本の方でも海外の方でも楽しめるメニュー表で、眺めているだけでもワクワクするような、ごはん時間の工夫が感じられます。
大人気!「ピザ喫茶 花人逢(かじんほう)」の沖縄県産アセロラジュース
ピザとならんで人気なのが、鮮やかな赤が目を引く「アセロラジュース(税込800円)」。本部町(もとぶちょう)はアセロラ生産地として知られ、「花人逢」でも地元産の果実をふんだんに使用しています。
口に含んだ瞬間、ほのかな酸味とやさしい甘さが広がり、身体がすっと目を覚まします。
テラス席でピザを頬張りながら、アセロラジュースを片手に海を眺める。「あぁ、花人逢に来てよかった」と感動が心から湧き出てきます。きっと「花人逢」のアセロラジュースは記憶に残る味になりますよ。
アセロラは「花人逢」から車でおよそ10分のところにある「もとぶアセローラフレッシュ」のものを使い、レシピも花人逢オリジナルなんだとか。ぜひ、本部町の恵みをお試しください♪
美しいのは景色だけじゃない。欠けを美しくする金継ぎ器の魅力
ピザを食べ終えた頃、店主・久場さんが「お皿は、母が趣味で集めた明治・大正時代のものです。使いきれなくなるまで直して使い続けたい。」と教えてくれました。
ピザに隠れていて気づかなかったのですが、ふと視線を落とすと縁にきらりと金継ぎの跡が光っています。
久場さんとスタッフは、時間を見つけて少しずつ器を直しているそうです。欠けを繕いながら、使い続ける。ピザ作りや接客のよさだけでなく、ものを大切に使うやさしさもある、あたたかな空間でした。
日々の忙しさや緊張をときほぐす自然体でいられる場所
現在は、二代目の店主・久場兼作さんが、初代である母の想いを胸に「花人逢」を受け継いでいます。
店主・久場さんは専門学校を卒業後、フレンチとイタリアンの現場で十年間修行を積んできました。母の店を継ぐときに教わった「せっかく山道をとおり抜けて来てくれたお客さんを、売り切れで帰らせないようにしなさい」という言葉が、いまも店づくりの礎になっています。
スタッフと力を合わせて仕込みを整え、訪れる人を家族のように迎える毎日。お客さまや仲間、取引先など、「花人逢」にかかわる人々への感謝を胸に、ていねいな日々を積み重ねています。取材中に久場さんが「また来たいと思うお店にしたい」と目標を語っていました。
本部町の空と海、やさしい風に包まれながら、変わらない味のピザをゆっくり味わう時間。帰る頃にはきっと、「また来たい」と思える場所だと思います。ぜひ、「花人逢」へ足を運んでみてください。
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