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くらしと経済編集部

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世界を拡張する「AR」

小林
こんにちは。小林美沙希です。
スマートフォンの機能にも搭載されるようになった、AR。この拡張現実と言われるARが、私たちの世界をさらに広げるツールとして注目されているようです。
その最新事情について野村證券那覇支店支店長の宮里洋介さんに詳しく伺います。宜しくお願いします。

世界を拡張する「AR」

宮里 
宜しくお願いします。

小林
ARと似た言葉に、VRという技術もありますが、この2つの違いは何なのでしょうか。

宮里
VRは「バーチャルリアリティー」の略で、「仮想現実」と訳されます。
一方、ARは「Augmented Reality」の略で、先ほど小林さんがおっしゃったように「拡張現実」と訳されます。
ARは現実世界に仮想の情報を重ね合わせるのに対して、VRは現実世界の情報は遮断して、仮想世界のみを描くことに違いがあります。

AR・VRの特徴

小林
ARは現実に仮想の世界をプラスするということなんですね。実際どのような場面で使われているのでしょうか。

宮里
まず、観光領域においてのAR活用は、訪問客に対する観光情報の提供や自動翻訳の分野において進んでいます。
具体的にはスマートフォンやタブレット端末を用いて、外の世界にかざすことで、その場所の歴史や地域の情報をリアルタイムでチェックしながら観光したり、多言語のテキストに自動翻訳をかけながらスムーズなコミュニケーションを取ったりすることができます。

また小売業においては、ARを活用することで、家具のように現実では試すことが難しいものを仮想的に現実世界に表示させ、シミュレーションすることができます。購入前に試したい商品をARで表示することで、消費者は安心して商品を購入することができます。

AR技術の活用例

小林
活用の幅が広がっているAR技術ですが市場は拡大しているのでしょうか?

宮里
はい。総務省のとりまとめによると、世界のAR・VRの市場規模は拡大傾向にあります。
AR・VRソフトウェア・サービス売上高の推移を見ると、2016年に比べて、2020年はおよそ3.5倍拡大しており、2023年には69.6億ドルと7.5倍以上に拡大する見込みです。

拡大するAR/VR市場

小林
世界全体で市場規模が拡大しているのですね。沖縄においてはどのような場所でARが活用されているのでしょうか?

宮里
焼失してしまった首里城を、AR技術を活用して観光客や修学旅行生に届ける実証実験が行われています。
学芸員と受講者が、タブレット端末によりリモートで繋がり、目の前の風景にデジタルデータや映像を重ねることで、焼失前の建物群を示しながら説明をすることが可能となります。

AR技術によって、端末上では目の前の風景に、在りし日の首里城の映像が重なり、受講者が臨場感を感じられるようになっています。実証実験の技術を活用すれば、首里城を訪れた修学旅行生や観光客などに体験型の遠隔授業を行うことができ、地域の歴史を学ぶ新しい方法が開発されていくことに期待が高まっているようです。

沖縄におけるAR技術の活用例

小林
今後のAR技術の発達に期待したいですね。
次回からは私に代わり、後間アナウンサーがお届けします。3年間ありがとうございました。

宮里支店長ありがとうございました。

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