くらしと経済 〜2021年放送

5月14日 成長と進化を続ける「育児テクノロジー」

小林

こんにちは。小林美沙希です。
いまや最先端のテクノロジーが子育てにも活用されています。今日はそうした「育児テクノロジー」について、野村証券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺います。宜しくお願いします。

宮里

よろしくおねがいします。

小林

育児の分野でも、ハイテク化が進みつつあるんですね。

宮里

そうですね。
日本国内の出生数は、年々下がり続けています。
一方で、子ども一人あたりにかけられる予算が潜在的に大きくなっていること、女性の社会進出により家事や育児の利便性が求められていること、そして日本製品の海外からの需要の高まりにより、国内のベビー用品や関連サービスの市場が拡大しています。

小林

育児は時間がかかり大変ですから、育児の負担を少しでも軽減しよう、というわけですね。それでは具体的に育児テクノロジーについて教えてください。

宮里

まずは、妊婦さんの不安を解消するためのテクノロジーです。
いつでも、どこでも母子の健康状態を把握できる「分娩監視装置」です。こちらは、2つのハート型の端末になっていて、お腹の中の赤ちゃんの心拍をスピーカーを通じて聞いたり、妊婦さんのお腹の張りを計測することができます。
計測した結果は、タブレット端末から医師へと送信することも可能です。

小林

自宅にいながら遠隔診療の補助ができる、というわけですね。

宮里

そうですね。続いては、赤ちゃんの寝かしつけに関する問題を解決するための技術です。
枕元などに置く照明で、赤ちゃんの目覚めと眠りのリズムをサポートするものです。
朝は寝かしつけの記録や、夜泣きの情報をもとに望ましい起床時間を予測して、朝日に似せたLEDの光を点灯させることで、スムーズな目覚めを促します。
そして夜は、目に優しい光と、雑音を緩和する機能によって眠りを促します。
こうした記録をアプリで確認することで日々の育児に役立てることができます。

小林

これまでとはまったく違う、新しい時代の育児が始まっているようですね。

宮里

おっしゃる通りですね。
続いては、保育園など、乳幼児を預かる施設向けの事例についても見ていきましょう。
一つ目は、乳幼児の昼寝の見守りができるマットです。内蔵された8本のセンサーによって、乳幼児の呼吸や心拍の状態を検知し、異変があれば、保育士のタブレットなどに警告を送る仕組みです。アプリ内の記録は、自治体に提出する報告書用としても出力できるなど、保育士の手間を大幅に軽減することができます。

小林

時に何人もの子どもと向き合わなくてはいけない仕事ですから、先端技術を使って業務を効率化できれば、助かりますね。

宮里

そうですね。続いても保育士さんの負担を軽減するための育児テクノロジーです。保育士の業務というと、子どもたちの世話というイメージがありますが、実は業務の約4割は、書類作成ともいわれています。こちらは、子どもの入室や退室時間の記録、出席簿の生成、保護者へのリアルタイム通知などの作業を、ICカードとタブレットによって自動化します。こうした付随業務の効率化によって、保護者とのコミュニケーションが円滑になるだけでなく、子どもと向き合う時間が増えて、より質の高い保育・教育につながります。

小林

保育士にも子どもたちにも、また保護者にもメリットがある仕組みといえますね。

宮里

そう思います。保育には様々な課題が数多くあります。家庭でも、保育施設でも、テクノロジーがサポートできる余地は、まだまだ大きいと思われます。
IOTや、安心・安全の技術に強みを持つ日本企業にとって、世界の育児テクノロジー市場は、今後も有望な参入領域となっていくことでしょう。

小林

様々なアイディアから生まれる日本の育児テクノロジーが、世界をリードしていくことに期待したいと思います。
宮里さん、ありがとうございました。

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