くらしと経済 〜2021年放送

6月4日 環境意識の高まりとともに、注目される「紙容器」

小林

こんにちは。小林美沙希です。
最近身近でもよく目にするようになった「紙容器」。環境負荷を軽減する上で欠かせない要素として多方面で活用が広がっています。
野村証券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺います。宜しくお願いします。

宮里

よろしくおねがいします。

小林

プラスチックごみが海を汚染し、生態系にも大きな影響を与えているという話はこのところよく聞くようになりましたね。

宮里

はい、海には毎年800万トンものプラスチックごみが流れ込んでいて、魚や海鳥、ウミガメなどが傷ついたり命を落としたりしている現状があります。
国連環境計画の報告書のデータによると2015年の世界のプラスチック生産量は容器や包装などのパッケージ関連の製品が36%と最も多くなっています。なかでもペットボトルやレジ袋、食品トレー、ストローなどの使い捨てプラスチックの生産がプラスチックごみの増加に大きく影響していると考えられます。
こうした中でプラスチックから紙の包材への転換の取組みが進んでいます。

小林

最近紙製のカップや包装も増えてきましたよね。機能性や耐久性の面でプラスチック製と比べるといかがですか。

宮里

紙容器は、製造のコストが比較的安い事やデザイン性が高いなどのメリットがある反面、耐水性や防湿性はプラスチックに比べて弱くなります。しかし、包装容器メーカーなどの間では、プラスチックに代わる新しい紙容器の開発競争が盛んになっています。
こちらをご覧ください。あるA社では、チャックで開閉できる箱型の紙容器を開発しました。この紙素材は水蒸気や酸素へのバリア性が高く、粉末や固形の食品、日用品のパッケージとして利用を想定しています。また昨年は電子レンジでの調理が可能な紙容器も開発しました。

小林

冷凍食品の包装材など家庭から出るプラスチックごみを削減する事に繋がりそうですね。

宮里

そうですね。
また別のB社では、食品を外の湿気から保護する機能に優れた紙容器を提供しています。
食品を紙の箱で包装する場合、一旦プラスチックで包装して箱に入れるのが一般的ですが、湿気に強いこの紙容器はその必要がなくなり、プラスチック使用量の削減に貢献できるという事です。
C社では、陳列した時に目につきやすいような自立可能な紙製の化粧品容器を採用し、機能性とデザイン性の両面で工夫しています。

小林

紙容器の活用が様々な分野に広がると同時に環境問題への関心も消費者の間で高まっているように感じますね。

宮里

確かにそうですね。
去年実施された意識調査によりますと「家庭から出るプラスチックごみは環境に大きな影響を与える」と考えた回答の合計が89.4%、「プラスチック製の使い捨て容器が過剰だ」と考える回答の合計は85.2%に上りました。
このように企業、消費者それぞれの環境意識の高まりで紙容器の普及はいっそう進んでいく可能性があるといえそうです。

小林

紙容器が今後さらに日常に浸透していくことに期待したいですね。
宮里さん、ありがとうございました。

2021年 記事一覧へ戻る