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夫から「部屋がほしい」と言われたら? 夫婦が納得する落としどころとは【住まいコンサルタントまえうみさきこ】
OKITIVE 読者のみなさん、 こんにちは!
~幸せのカギはお部屋しだい!~建てる前の一級建築士~まえうみさきこです。
心理学を使って、毎回「お部屋の上手な使い方」をお伝えしてます♪
「ねえ、俺の部屋がほしいんだけど・・・」
もし、夫にそう言われたとき、あなたはどう感じますか?
え!今でさえ手狭なのに!いまは、子ども優先でしょ、普通。
私だって自分の時間がほしいわよ!
そんな声が、頭の中でいくつも飛び交うのではないでしょうか?
実際、住まいの相談を受けていると、実はこの「夫の部屋問題」は本当によく出てくるテーマです。
そしてこの問題がこじれると、段々とギクシャクし始める。そんなご夫婦を、これまで何組も見てきました。
今回は、空間と人の心理の視点から、この問題の「本質」と「落としどころ」をお話しします。
目次
夫が「部屋がほしい」と言うとき、本当に求めているもの
まず、少し夫側の気持ちを想像してみましょう。
仕事から帰ってきて、リビングにはおもちゃが散乱している。
ソファに座ろうとしたら、ランドセルや荷物が置かれていたり、子どもたちが陣取っていて、座るスペースがない。
テレビチャンネルを変えれば、「えー!ゲームしてるのに~!」と子どもから、うらめしい目で見られる。家にいるのに、なんだか自分の居場所がない。
これ、実は心理学的にかなりストレスの高い状態なんです。
人間は「自分がコントロールできる空間」を持つことで、安心感や自己効力感を保ちます。自己効力感とは、「自分ならできる」「きっとうまくいく」と自分の能力を信じ、行動できる感覚のことです。
人は、コントロールがまったくできない環境に長期間置かれると、自分の「居場所」がなくなる感覚が強くなり、家に帰りたくない、という感覚につながっていくんです。
「俺の部屋がほしい」という言葉の裏にあるのは、実は「自分の居場所がほしい」というごく基本的な人間の欲求だと私は思っています。
もちろん、妻側のあなただって同じ。むしろ、家にいる時間が長いぶん、その欲求はもっと切実かもしれないです。
だからこそ、夫だけの問題として片付けるのではなく、「家の中の居場所をどう作っていくか」という家族全体の問題として、きちんと考えてほしいんです。
「個室」がなくても「スペース」はつくれる
では現実問題として、今の家に余っている部屋がない場合はどうすればいいでしょうか。
ここで多くの方が「部屋=個室」という思い込みに縛られています。
でも実は、人が「自分の居場所」として感じるために必要なのは、壁と扉で仕切られた部屋である必要はありません。
必要なのは、「ここは自分のゾーン」と感じられる空間的な“しるし”です。
たとえば、
• リビングの一角に小さなデスクコーナーをつくる
• 「このソファの端が俺の定位置」と家族での共通した認識をつくる
• 寝室の一角をパーティションや本棚でゆるやかに仕切る
これだけで、人の「居場所感覚」はぐっと変わります。
完全な個室でなくても、「自分の場所だ」と感じられる何らかの“しるし”があれば、それが心の安定につながるんです。
逆に言えば、たとえ物理的な部屋があっても、そこが、「荷物置き場になってる」とか「誰でも勝手に入ってくる」という状態では、居場所感は生まれません。
部屋の広さよりも、「ここは自分の場所」という感覚が守られているかどうかの方が大事です。
賢い妻の「落とし所」はここにある
とはいえ、「じゃあどこにつくるの?」という現実的な問題は残りますよね。
私が相談の中でよく提案するのは、「夫のコーナー」と「妻のコーナー」を同時に確保するという方法です。
夫だけに場所をつくると、妻側に不満が残る。
でも夫婦それぞれに「自分ゾーン」をつくる前提で話し合うと、不思議と話がまとまりやすくなります。「あなたにだけ特別扱い」ではなく「お互い様」の構図になるからです。
具体的には、
•夫コーナー:寝室の窓際にデスク。仕事・趣味・ひとりの時間用。
•妻コーナー:キッチン横の小スペース。PCと好きな本だけ置ける場所。
広さはどちらも1畳程度あれば十分です。
そしてもうひとつ、これが意外と大事なんですが
「夫のコーナーに、妻は勝手に物を置かない」というルールをセットにすること。
場所だけつくっても、すぐに他の人の荷物が侵食してくると元に、居場所がなくなってしまいます。ルールまでがセットで初めて「居場所」になります。
もちろん妻のコーナーも同じく、他の家族は勝手に物を置かせないルールを作りましょう。
実は、お子さんのスペースも同じ考えです。住まいには家族それぞれの「居場所」が必須だと考えています。
家の中の「ひとり時間」が、家族関係を守る
最後に、大切な話をさせてください。
夫婦が長く一緒に暮らしていくうえで、「ひとりになれる時間と場所」はぜいたくな事ではなく、必須だと私は思っています。
常に家族と顔を合わせ、常に誰かの気配がある環境では、どんなに仲の良い夫婦でも少しずつ、エネルギーが消耗します。
お互いが「ちょっと一人になりたい」と思える場所を持っていることで、またリビングに集まったときに「一緒にいたい」という気持ちが戻ってくる。
いかがでしたでしょうか?
実は「夫の部屋問題」は、夫のわがままでも、妻の心の狭さでもありません。
家の中に「ひとりになれる場所」をどう確保するか、という住まいの計画問題です。
「部屋ひとつ」という大きな話ではなく、「1畳のコーナーをどこに設けるか」という小さな話から始めてみてください。
そのひと工夫が、家族それぞれの機嫌を守り、結果的に家族関係全体を穏やかにしてくれます。
住まいは、家族の関係性をつくる器です。
ぜひ、夫婦で一度、「お互いの居場所」について話し合ってみてくださいね!
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