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くらしと経済編集部

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「農福連携」で農業と福祉の課題を解決

後間
こんにちは。後間秋穂です。
農業と福祉が連携することによって、さまざまな課題を解決する「農福連携」。
今回はその「農福連携」について、野村證券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺います。よろしくお願いします。

宮里
よろしくお願いします。

後間アナと宮里支店長が並んでいる画像

後間 
まず「農福連携」とはどういったものでしょうか。

宮里
はい。農福連携は、障がい者や高齢者など社会的支援を必要とする人々が農業に携われるよう国や自治体、法人などが支援する取り組みを指しています。
最近では生活困窮者も含めて誰もが生きやすい社会を実現する取り組みとしても注目されるようになりました。

後間 
国が力を入れ始めた背景にはどのような事情があるのでしょうか?

宮里
背景には農業と福祉、それぞれの分野が抱える課題があります。
まず農業分野では農業人口の減少と高齢化という課題がますます深刻になっています。
一方、福祉分野では障がい者の増加という課題があります。
2018年、障がい者の数は人口の7・4%、約937万人となり2006年の約656万人から大幅に増加しています。
こうした人々の新たな就職先として農業があらためて注目されるようになったのです。

農業従事者数と平均年齢の推移

後間
具体的には農業、福祉の分野にどのようなメリットがあるのでしょうか?

宮里
農業分野としては農業従事者が減少、高齢化するなかで労働力を確保できることが挙げられます。
そのほかにも、人の流入が地域に活気をもたらし人と人との交流が盛んになる可能性もあります。

一方福祉分野のメリットとしては、まず農業は障がい者それぞれの能力に合わせて作業を設計できることが挙げられます。
他にも、障がい者等が自然の中で働くことで身体面や精神面でのプラスの効果があるなどいくつかのメリットがあります。

農福連携のメリットと効果

後間
実際にはどのような農福連携の取り組みがあるのでしょうか?

宮里
例えば、宮崎県の社会福祉法人が運営する施設では知的障がい者が農業、食品加工、レストランの3事業に関わっていて、近隣農家から依頼されダイコン抜きや除草などの作業も行っています。
ほかにも生活困窮者を対象にした農福連携の取り組みもあります。
京都府では農地所有適格法人に委託して生活困窮者が農業訓練などを通じて職に就くことを促進する取り組みを進めています。

農福連携の事例

また、企業が主導して農福連携に取り組む事業の事例もご紹介します。
ある東京の空調設備会社の事例では植物工場の事業を行っており、空調が整い温度や湿度が一定に保たれた環境面で配慮された中で障がい者を雇用しています。
ほかにもご覧のように農福連携はアイデア次第で今後ますます多様化していくと考えられます。

企業が主導する農福連携の事例

宮里
支援を必要とする人それぞれが社会のなかで役割を持つことができれば本人も生きやすくなる一方で、地域や社会を支える力になることができます。

後間
このような取り組みが今後どんどん増えていくことに期待したいですね。
宮里支店長ありがとうございました。

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