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くらしと経済編集部

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変化する生活様式と多様化する「サブスクリプション」サービス

小林
こんにちは。小林美沙希です。
一定期間定額料金を支払うことで、動画や音楽などを楽しむことができるサブスクリプションサービス。生活様式の変化を受け、そのサービス内容も多様化しているようです。
野村証券那覇支店支店長の宮里洋介さんに詳しく伺います。宜しくお願いします。

宮里
よろしくおねがいします。

小林
サブスクリプションサービスとは、具体的にどのようなサービスなのでしょうか?

宮里
従来の「買い切り型」の購入方法とは異なり、サブスクリプション型いわゆるサブスクは、商品ではなく、商品を利用する「権利」を購入するサービスです。
例えば、サブスク型の音楽サービスでは、楽曲を聴く「権利」を購入しますので、特定の楽曲に限らず、最新の楽曲も楽しむことができます。
このような音楽の聴き放題や、映画の見放題といった、デジタルコンテンツを扱うサービスが市場を牽引し、近年そのシェアは拡大傾向にあります。
2017年の市場規模は8,720億円、うちおよそ33%をデジタルコンテンツが占めていました。そのデジタルコンテンツの市場規模は年々増加傾向にあり、2023年には5,570憶円となり、これを含めたサブスクサービス市場全体では1.4兆円を超える見込みです。

小林
デジタルコンテンツの堅調な伸びは、実感とも近い気がしますね。そのほかのサービスの状況はどうなのでしょうか?

宮里
はい。ここ最近の巣ごもり生活など、生活様式が変化していることが追い風となり、市場にも変化が表れています。
香水や切り花、現代アート、さらにはリモートワーカーをターゲットにした「住む場所」のサブスクなどが注目を集めています。
中でもとくに顕著な伸びをみせたサービスのひとつが、香水のサブスクです。
このサービスは、高級ブランド品を含むおよそ500種類の中から好きな香水をひとつ選ぶと、1カ月で使いきれる量を自宅に届けてくれるサービスです。
若い女性を中心に、会員数は昨年4月からの1年間で、およそ11倍に急増しています。

小林
確かに、1か月ごとに香りを変えられると気持ちも切り換えられて少し日常が楽しくなりそうですね。
ほかにも、コロナ禍で起きた変化はあるのでしょうか?

宮里
はい。移動の減少により客足が遠のいた飲食店などでは、新たにサブスク型のサービスを開始する事業者が現れました。
飲食店に特化したシステムを運営する企業によると、サブスク型の飲食店は、緊急事態宣言下においても来店数への影響が少なく、その後の利用者の戻りも早かったとのことです。
沖縄では、泡盛のサブスクを開始して注目を集めた事業者が、移動制限に伴い苦戦を強いられている旅行代理店とタッグを組み、観光業を盛り上げようとする取り組みがなされています。
移動制限により外食産業や観光業が大きな打撃を受けていますが、こうしたビジネスモデルは、このような苦境を乗り越える手段のひとつとなっているようです。

小林
サブスク市場の拡大と多様化による変化は、今後も続きそうですね。
宮里さん、ありがとうございました。

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