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琉球ゴールデンキングス、最終節で“本来の姿”を取り戻せるか?モメンタムを引き寄せる「我慢強さ」が鍵に
「高いプレー強度」を維持できるか

では、「我慢をする」「自分たちの土俵で戦う」ためには何が必要なのか。5月4、5の両日にアウェーである最終節の広島ドラゴンフライズ戦に向けて「どんな準備をしたいか?」と問われた際の、桶谷HCのコメントに答えの一つがある。
「今日ぐらいインテンシティ(強度)を上げてバスケットをできるか、フィジカルゲーム(身体的な当たりの激しい試合)に対してどれだけ準備ができているかが大事だと思います。それと戦術、戦略が整って、初めて勝負ができる。メンタルで絶対に負けず、相手よりもハードにプレーするというところはやり続けたいなと思います」
名古屋Dとの連戦では、持ち味であるスムーズなボール回しからフリーな3Pを打つ場面が多く見られたが、いずれの試合も成功率は20%台に低迷し、思うように得点が伸びなかった。だからこそ、ディフェンスで我慢することが重要なのだ。
その点で、最近の試合で注目したいのが、主にセカンドユニットを務める牧隼利、松脇圭志、荒川颯が同時にコートに立った時に見せるオールコートでのプレッシャーである。相手のハンドラー(司令塔)に対して激しく当たり、積極的にダブルチームを仕掛けるなどしてターンオーバーを誘ったり、ボール運びに時間を掛けさせたりして、流れを変える役割を担う。
名古屋Dとの第2戦後、その一角を担う牧も責任感を口にしていた。
「今日は昨日よりゾーンプレスを多めに仕掛けていくという話をしていて、それが比較的良かったと感じました。そこはコーチから任されている部分です。セカンドユニットにここまで時間を与えてくれるチームはあまりないので、ゲームを繋ぐだけではなく、いかに流れをつくるかということに責任を感じています」
オールコートかハーフコートかに関わらず、この3人が見せているようなディフェンスの強度を各選手がスタンダードにしたい。もちろん、リバウンドやルーズボールに対する執着心の高さも求められる。それを40分間体現して我慢を続ければ、終盤でモメンタムを引き寄せる鍵になるだろう。それこそが、キングスの最も得意とする勝ちパターンだったはずだ。
広島戦、自力での地区優勝決定条件は2連勝

現在、地区優勝マジックは「2」となっているため、広島との連戦で2勝すれば自力で地区優勝を決めることができる。一方、1勝1敗もしくは2敗となった場合は、5、6の両日に行われる名古屋Dの最終節(対佐賀バルーナーズ)の結果次第で地区1位と2位の順位がひっくり返る。勝敗数が並んだ場合は、直接対決の結果で名古屋Dが上の順位となる。
もちろん地区優勝を飾り、CSの初戦をホームの沖縄アリーナで戦うことは、勝利を引き寄せる上で大きなポイントだ。ただ、桶谷HCが「このまま行ってもCS(で勝ち上がるの)は難しいと思っています」と危機感を語ったように、先の試合のことや他カードの結果よりも、まずは自分たちが目の前の広島戦でどのようなパフォーマンスを見せるかが最もフォーカスすべき事項となる。
西地区3位で目下4連勝中の広島は現在、上位2チームがCSに進出するワイルドカード(3地区の上位2チームを除く)で1位だが、2位の千葉ジェッツは1ゲーム差、3位のサンロッカーズ渋谷も2ゲーム差で迫っており、まだCS進出は確定していない。広島にとってもキングスとの最終節は負けられない試合であり、ホームの声援を背に、強固なメンタルと高いプレー強度で挑んでくることは間違いない。
相手にとって不足はない。広島戦が終われば、5日後の10日にはCSが幕を開ける。気持ちと気持ちのぶつかり合いになるであろう最終節で本来の強さを取り戻し、2連覇の懸かるCSへ弾みをつけたい。
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2024年5月31日15時45分〜 沖縄県内のTV 8チャンネルにて放送!!
沖縄テレビ(8ch)では、5月31日(金)15時45分から琉球ゴールデンキングスのシーズンを振り返る特別番組を放送します!
ぜひご覧ください!

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