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くらしと経済編集部

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注目度が高まる「日本ワイン」

小林
こんにちは。小林美沙希です。
ワインといえば、ヨーロッパなどの海外をイメージすることが多いですが、近年「日本ワイン」への注目が高まってきているようです。
「日本ワイン」の最新事情について野村証券那覇支店支店長の宮里洋介さんに詳しく伺います。宜しくお願いします。

宮里 
宜しくお願いします。

注目度が高まる「日本ワイン」

小林
今日のテーマ「日本ワイン」は、国内で製造されたワインのことでしょうか。

宮里
そういうイメージを持たれるかと思いますが、実は「国内で製造されたワイン」イコール「日本ワイン」ではありません。
現在ワインには、「日本ワイン」「国内製造ワイン」「輸入ワイン」の3種類に区分されています。日本で製造されるワインのうち、国産のブドウを使って国内で製造されたものが「日本ワイン」で、ラベルに「日本ワイン」と表示することができます。これらのワインの呼び名の基準が明確に作られたのは2018年で、それ以前は様々な呼び方があり基準も明確ではなかったんです。

ワインの区分

小林
なぜ明確に区分が設けられるようになったのでしょうか。

宮里
近年ワインの消費は拡大傾向にあり、成長産業となりつつあることや、国産ブドウのみを原料とするワインの中で、海外で高く評価される高品質なものが出てきたことなどがあります。
高品質な純国産のワインをほかのワインと明確に区別することでブランド化し、世界へ広めていこうという狙いがあります。

小林
日本ワインが海外で評価されてきている背景には何があるのでしょうか。

宮里
日本の風土にあうブドウへの品種改良や栽培技術の向上、また海外で技術を学んだ人が増えたこともあり、日本のワインは大きく進化してきました。
昨年開催された世界最大級のワインコンクールでは、山梨県で作られた白ワインが、上位賞にあたる「プラチナ賞」を獲得しています。

小林
なるほど、国内のワイナリーの数も増えているのでしょうか。

宮里
はい。2008年に少量の生産でも果実酒の製造が認可される「ワイン特区」が創設されたこともあり、国内のワイナリーは増加傾向にあります。
そのため、生産量も増加傾向にあり、国税庁が昨年発表した2018年の調査結果によると、果実酒全体の生産量は波はあるものの、増加傾向です。2018年の日本ワイン生産量は、国内ワイン生産量のおよそ20%を占め、出荷量も増加しています。

果実酒の生産量推移

小林
日本ワインを海外へ広める取り組みについては、何か積極的に行っていることがあるのでしょうか。

宮里
地域の風土と結びついた特産品を国が保護する制度として、「GI」というものがあるのですが、日本ワインのGI指定はこれまであった山梨県と北海道に加えて、昨年長野県・山形県・大阪府が追加され5府県となりました。新たにGI指定を受けた大阪府ではワイン用ではなく食用ブドウを主体とした品種で日本ワインを製造するといった大きな特徴があります。
今後、輸出を拡大していくうえで、こうしたブランド力の強化につながるGI指定は、プラスに働くかもしれません。

小林
様々な制度が後押しとなり、日本ワインは今、世界市場にも本格的に乗り出していくためのスタート地点にいると言えそうですね。今後の動向に注目したいと思います。
宮里支店長ありがとうございました。

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