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長嶺 真輝

長嶺 真輝

荒川颯「チャンスは自分で掴むもの」沖縄で手にした”新たな武器”磨き、勝負のシーズンへ 琉球ゴールデンキングス

与えられた役割は高強度のディフェンスとコーナー3P

荒川颯 琉球ゴールデンキングス
桶谷HC(中央)らの前でコーナー3Pの練習をする荒川

与えられた役割はディフェンスで前からプレッシャーを掛けること、チームでつくったフリーのコーナースリーポイント(3P)を高確率で決め切ることの二つだった。

しかし、いずれも成果が上がらない。

開幕後の1カ月間はほぼ毎試合コートに立ったが、11月以降はプレータイムがぱったり。「ディフェンスで高い強度で前から当たれず、ノーマークのシュートも決めきれない。これといった特徴がなかったことが要因だと思います」。開幕から4カ月近くに渡り、得点を決めたのは1試合のみだった。

昨シーズンから荒川のプレーを見始めたファンからすると少し意外かもしれないが、実はこの二つの役割は、それまでの自身のスタイルとはかけ離れたものだった。

大学時代には3人制の「3×3(スリーバイスリー)」でU23日本代表に選出されたこともある荒川。「学生の頃からオフェンスしかやってこなかった」と言う通り、ハンドラーとして自ら得点を狙うことが優先事項だった。開幕前のプレシーズンゲームでディフェンス力を評価された際も「ディフェンスが自分の武器になるとは全く思ってなかったです」と若干の戸惑いがあったという。

もがく中で、プロの世界に入ってからなかなか同じチームに定着できなかった「悪いイメージ」が頭をよぎった。

「このまま行ったら、また来シーズンも契約がもらえない」
 「また同じ事を繰り返しているな」

それでも、腐らなかった。「オフェンスに対する変なプライドのせいで中途半端だったスタイルを、明確にしようと決めました」。コートに立てない間、チームから求められる役割にひたすらフォーカスした。

「ディフェンスで相手のボール運びにプレッシャーを掛けることや、スクリーンの抜け方、手の使い方を練習し、オフェンスでもコーナー3Pを確実に決めることを意識してトレーニングしました。その間、コーチ陣やトレーナーが僕のようなほとんど試合に出ていない選手のコンディショニングにも多くの時間を割き、アドバイスをくれました」

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