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長嶺 真輝

長嶺 真輝

琉球ゴールデンキングスに見えた明確な「課題」と、その向き合い方 開幕カードでは桶谷大HCの“妙手”も…

脇とアルマは「成長段階」のターンオーバー

琉球ゴールデンキングス
先発の一人としてコートに立つ脇真大

現状のターンオーバーの多さは、チームにとって伸びしろの大きさの裏返しでもある。2戦目でターンオーバーが4回だったルーキーシーズンの脇真大、3回だった若手のアルマの存在が、その理由だ。

 桶谷HCは「ケヴェは25歳でまだ若いので、ケアレスなターンオーバーがあり、脇もそういう部分があります。ドリブルでのターンオーバーが多く、ファウルが鳴る前提でプレーするのではなく、鳴らない前提でボールキープするということをしないといけない」と話した。その一方で、「成長段階のターンオーバーなので、許容しないといけない」とも言った。

 どんな状況だと相手が手を出してくるのか、どういう体の使い方だとボールキープがしやすいのか。簡単なミスを減らすためには、経験が物を言う。

 だからこそ、若手のターンオーバーはある程度許容し、成長を促しながら、チームの強みを強調して勝利を目指す。全60試合に及ぶ長いレギュラーシーズンを戦う上で、現状の方向性としては最善と言えるのではないだろうか。

 ターンオーバーという課題こそあれど、チームオフェンスに関しては、昨シーズンよりボールが止まる場面は減った印象だ。1戦目の途中で負傷離脱した伊藤を除き、他の10人は2試合とも全員がスコアを記録。1戦目でチームトップの24得点を挙げた岸本も手応えを口にした。

 「(連係は)めちゃくちゃ深まっていると思います。プレシーズンからすごくボールが流動的に回って、アリウープとかも増えました。トランジションのポイントも増えてきていて、みんなが少しずつ、それぞれの特徴や強みを理解し始めています。それを生かす場面も増えていきているので、良い雰囲気でやれていると思います」

 ついに幕を開けた新シーズン。脇とアルマに限らず、プレータイムが増えている荒川颯と植松の成長、中堅の立ち位置となった松脇圭志のプレーの幅の広がり、昨シーズンは不完全燃焼な成績に終わったヴィック・ローが本領を発揮できるかなど、見どころは多い。若手の成長やチームケミストリーの向上と共に、試合を重ねながら進化を遂げていきたい。

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コート上でなびくキングスの大旗
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