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“Jun Yasunaga”に憧れた「NBA少年」がキングス新社長に… 岸本隆一と『同期入団』仲間陸人氏の濃密な歩みと、初のうちなんちゅ社長として見据える未来
「沖縄を世界へ」という挑戦を推進する
新社長として注力したい項目の一つに挙げるのが、クラブが2023年から掲げる「沖縄を世界へ」という挑戦を推進することだ。この標語を考案したのも、仲間氏本人である。
「僕たちが沖縄から出ていくのではなく、沖縄を世界に持っていき、この島の素晴らしさを知ってもらいたい。だから『沖縄から世界へ』ではなく、『沖縄を世界へ』にしました」と、その言葉に込めた熱い想いを語る。
昨季のオフはイタリア、今季は9月にオーストラリアの国際大会に参戦するキングス。東アジアスーパーリーグ(EASL)への4シーズン連続出場も決まっている。「広島と言ったらカープ、ニューヨークと言ったらヤンキース。その文脈で、沖縄と言ったらキングスと世界中の人に連想してもらえるように、引き続き海外遠征にはチャレンジしていきたいです」と広い視野で今後を見通す。
当然、ビジネス面での成長にも意欲的だ。人口約146万人の離島県を本拠地とし、沖縄に深く根付いている中、ファンをさらに拡大する戦略を描く。
「ホームゲームをどうやって県外、海外の人たちに見てもらうかはすごく重要なので、映像配信やアプリなどのデジタルコンテンツにはビジネスチャンスがあると思っています。今年で第三弾となったBEAMS SPORTSとのコラボ企画などを通し、これまでキングスだけでは届かなかったファン層にもアプローチしていきたいです」
見据えるのは、何もキングスの発展だけではない。「もちろんチーム、ビジネスの両面での取り組みをクラブ、そして沖縄に還元していくという部分は絶対にぶれませんが、Bリーグ全体の価値も上げていきたい。『キングスがBリーグを引っ張っているんだ』という気概で、挑戦を続けていきたいと思います」。この言葉には、一層力がこもった。
創設以来、「現状維持は衰退」という確固たる文化の下、変化を恐れず、進化を続けてきたキングス。その一翼を担ってきた若きリーダーの下、さらなる発展に向けて突き進む。
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