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くらしと経済編集部

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「移動」を新たな価値に変える、新発想サービス

小林
こんにちは。小林美沙希です。
今回は、「移動」を新たな価値に変える、新しいサービスについてのお話を、野村証券那覇支店支店長の宮里洋介さんに伺います。宜しくお願いします。

「移動」を新たな価値に変える、新発想サービス

宮里
宜しくお願いします。今日ご紹介するのは、特定の乗りものに乗車した時だけでなく、自動車や自転車、徒歩など、移動するだけでマイルが貯まるというサービスです。

小林 
電車やバスを利用するとポイントが貯まるアプリなどのサービスはすでにあると思いますが、これまでとは何が違うのですか。

宮里
はい。このサービスは、毎日の散歩から飛行機の移動まで、あらゆる移動を対象にしていることが大きな特徴です。

さらにこのサービスがユニークなのは、徒歩や自転車など環境への負荷が小さい交通手段を利用するとより多くのマイルが付与される仕組みになっているということです。通常のポイントサービスは、顧客の囲い込みが主な目的ですが、このサービスでは、地球温暖化防止などに貢献する効果も期待できる点が、今までにない新しい視点と言えます。

移動でマイルが貯まるアプリ
移動でマイルが貯まるアプリ

小林
日本にはすでにポイントサービスがたくさんありますが、SDGsへの関心も高まってきていますので、こうした価値に魅力を感じてサービスを利用する人もいるかもしれませんね。

どんな手段でも移動すればマイルが貯まるということですが、付与されたマイルについてはどのような使い方ができるのですか?

宮里
こちらをご覧ください。付与されたマイルについては、提携企業が提供する特典と交換することができます。

例えばコンビニチェーンのコーヒーの無料クーポンや、スポーツ用品メーカーのオンラインショップで使えるポイントをはじめ、提携企業のサービスを利用できる抽選に応募したり、福祉団体などに寄付をするといった使い方もできます。

用意された特典の例

小林
大変便利でお得なサービスですが、位置情報が常に記録されているとなると、そのデータがどのように使われるのかは気になります。

宮里
そうですね。スマートフォンの位置情報のみでは個人情報に該当しないため、このアプリの開発会社は、利用者の活動記録をもとに、「架空の利用者像」を導き出し、それをもとに提携企業のニーズと利用者をマッチングしているということになります。

小林
なるほど。ではアプリを活用する提携企業には、どのようなメリットがありますか。

宮里
はい。例えば、徒歩やランニングは、スポーツ用品との関連性が高いため、スポーツ用品メーカーなどが提携しています。そのほか、環境にやさしい移動手段の利用を促すアプリとの連携によって環境問題やSDGsについての意識が高い企業であることをアピールできるという側面もあります。

さらに、このアプリ開発会社では、「移動をマイルに変える」という技術を開発キットとして提供しており、その技術を導入して自社アプリを作成した企業もあります。

例えば、ある損害保険会社ではこの技術を導入して、移動をマイルに変える独自のアプリを開発して展開しています。損保会社は、自動車事故を減らしてできるだけ保険金の支払いを抑えたいと考えています。このアプリの利用者が車の移動より、より多くのマイルが貯まる徒歩や自転車などを選ぶ機会が増えれば、車の利用機会が減って、その分、事故が発生するリスクを抑えることができます。

アプリを活用する企業のメリット

小林
ビジネス面でも、社会貢献の面でも、こうした新しいサービスが今後どのような進展を見せるか注目したいと思います。
宮里さんありがとうございました。

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