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松永 多佳倫

松永 多佳倫

「まだ野球を終わらせたくない」甲子園の熱戦の傍らで始まった“もう一つの夏” 高校3年生37人が未来を懸ける『JSL 2026』開幕

「まだ野球を終わらせたくない」甲子園の熱戦の傍らで始まった“もう一つの夏” 高校3年生37人が未来を懸ける『ジャパンサマーリーグ2026』開幕

甲子園の熱戦の傍に、まだまだ燃え尽き足りない球児たちのリーグ戦が行われていることを知っているだろうか。

今月17日から5日間、沖縄県沖縄市のゴザしんきんスタジアムにて「ジャパンサマーリーグ2026」(JSL2026)が開催されている。

参加者は36名。そのなかには沖縄県大会で涙を飲んだU-18代表候補の“二刀流”長山武蔵(日本ウェルネス沖縄)や春季九州大会で3打席連続ホームランを放った福地楽偉門(エナジック)、県外からも昨夏甲子園でホームランを放った中込大(未来富山)などが新たなステージへの挑戦を求めて参加している。

3チームに分かれて1日2試合、5日間で計10試合行われる。
15時30分から1時間は、レベルアッププログラムと題して、野球系、キャリア系の講師計6人を招いて座学、16時30分からの30分間はJSLのスタッフと共に自主トレを行う。

高校生たちの無限にある可能性を広げてあげたい

「まだ野球を終わらせたくない」甲子園の熱戦の傍らで始まった“もう一つの夏” 高校3年生37人が未来を懸ける『ジャパンサマーリーグ2026』開幕

JSL2026代表の知花真斗が精悍な顔つきで語る。

「毎年11月下旬に開催されるジャパンウインターリーグ(JWL)の基本理念『陽の目を見ない場所に光を』があるなかで、野球を続けていくうえで誰もが通ってきた高校野球を考えたときに、たくさんの高校生たちにも可能性を広げてあげたいのが一番の目的です。
例えば、100人以上いる部員で埋もれて出られなかった選手たち、不完全燃焼のまま終わった最後の夏の大会を終えて新たなステージを目指している選手たち、区切りとしてケジメをつけたい選手たち、そういったいろんなニーズを感じ、高校野球を経験してきてサポートしている大人たちが、どう子どもたちの未来を切り開いていくかが、ウインターリーグと違う意義があると感じています」

––JSLは高校3年生のみ参加というのが明確化されてはいるが、それ以外についてJWLとの根本的な違いはどこですか
「スタッフや選手の考え方もあると思うんですけど、ウィンターリーグはプロも参加するのでやっぱり緊張感がみなぎっているんです。
やってあげたいのではなく、どうサポートしていくかがキーになるので余念がありません。
でもサマーリーグは緊張感が解けるとまでは言いませんが、満足いくまでやらせてあげたいという親心というか、優しさが滲み出てくる雰囲気のリーグ戦だと感じていますね」

参加人数37名、県外の有名強豪校からも続々参加

「まだ野球を終わらせたくない」甲子園の熱戦の傍らで始まった“もう一つの夏” 高校3年生37人が未来を懸ける『ジャパンサマーリーグ2026』開幕

––参加する選手たちの目的意識は人それぞれですか
「本当にバラバラだと思います。帝京の関健志朗くんなんか海外留学をしっかりと視野に入れ、経験値を上げるために参加しています。
そもそも去年参加した帝京から徳島インディゴソックスに入団した黒木(大地)くんから『ここ行ったら面白いこと色々学べると思うよ』って紹介してもらったらしいんです。
去年参加した選手たちからの口コミがいい宣伝となっているのは、純粋に評価されていると感じています」

–––スカウトの方々はどのような感じですか
「ウィンターリーグとサマーリーグを合わせて年間で相当数のスカウトが来場しており、今回もフィリーズ、ブルージェイズ、ビッグ開発などのスカウトが参加。
地方大学の関係者も繋がりを通じて視察に来るという感じであります」

年々科学的トレーニングが進化している野球界にどう対応するのか

「まだ野球を終わらせたくない」甲子園の熱戦の傍らで始まった“もう一つの夏” 高校3年生37人が未来を懸ける『ジャパンサマーリーグ2026』開幕

––集客に関してはどのような広報活動をやっておられますか
「今年は昨年の口コミ効果を期待して記者会見自体が遅かったのがよくなかったのか、当初は参加者が昨年を下回ってしまい、危機感を覚えました。
菊池雄星オーナーの施設との連携を発表してから一気に参加者が増えたという経緯があります。
高校の監督に至っては県大会期間中は声をかけにくいため、中学時代の恩師や親御さんを通じた勧誘が効果的だと分析しました。
帝京の先輩だった黒木くんが後輩の関くんに紹介したような口コミ連鎖も重要な集客源であり、来年以降は中学指導者へのアプローチを強化していこうと考えております」

代表の知花は、本当の意味で科学的な野球(打球角度・スイングスピード・盗塁技術など)を理解していない指導者がまだまだ多いと指摘する。
それゆえ、このサマーリーグに指導者自身がベンチに入って新しい野球を体感することが沖縄野球のレベルアップに繋がると考える。

どの分野にも言えることだが、急速に技術が進化し始めているなか、指導者が年々アップデートの必要性にかられているのは、ここ1、2年で実感している。
だからこそ、このサマーリーグを実施する意義はとてつもなく大きい。それは、球児たちの未来を形作るだけでなく、指導者たちの未来も豊かにしていく可能性があるからだ。

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