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2024/07/30 公開日2024/07/30

五十嵐梨花（花千本槍企画/OFNE）

築120年以上の琉球古民家で味わう沖縄そば「百年古家大家（うふやー）」（名護市）

観光客に絶大な人気を誇る「百年古家大家（うふやー）」は、築100有余年の歴史ある古民家で、沖縄そばや琉球料理・あぐー豚のしゃぶしゃぶが食べられるお店です。
中山という自然に囲まれた地域にあり、広大な敷地には豊かな自然がいっぱい。文化的に価値のある琉球古民家で、かつての沖縄北部の村にお邪魔しているかのように食事を楽しめます。

今回は、「百年古家大家（うふやー）」に込められた想いを教えてもらいました。ぜひ最後までご一読いただき、その魅力に触れてみてください。

「琉球古民家を後世に残したい」からはじまった「百年古家大家（うふやー）」

かつて沖縄県北部には優秀な建築家がたくさんいて、その多くが首里城の建築に携わっていました。
首里城が完成し手持ち無沙汰になった彼らは、美しい琉球古民家を北部にたくさん建てたそうです。しかし長い歴史のなかで、琉球古民家は次々と取り壊されていき、美しい沖縄の村風景は失われつつありました。

変わりゆく景色を目の前に琉球古民家は後世に残していくために、明治34年（1901年）に建築された歴史ある「安里家」の修復がはじまりました。

同じ想いをもつ「沢岻家（たくし家）」・「新城家（あらぐすく家」）も移築・復元し、2004年に沖縄そば屋としてオープンしたのが、「百年古家大家（うふやー）」のはじまりです。

チャーギ（イヌマキの木）が使われ、釘を使わない工法で建てられた「沢岻家（たくし家）」、謝敷山から採れた樫の木が使われた「新城家（あらぐすく家）」は、文化的に価値のある建築物。

イミテーションではなく実際に人が住んでいた古民家に触れられるのは、とても貴重な体験となるでしょう。

「百年古家大家（うふやー）」はみどころ満載で待ち時間が楽しい

1日500名以上が来店する「百年古家大家（うふやー）」では、待ち時間も楽しんでもらえるような仕掛けがいっぱい。

散策路や鳥居・神社などの散歩エリアをはじめ、スイーツ工房やカフェ・やちむんの絵付け体験など、食事前にゆっくりできるスペースが充実しています。

スイーツ工房では「百年古家大家（うふやー）」自慢のバウムをはじめ、パイナップルワインや黒糖でできた和三盆など、ほかでは入手しにくい商品がたくさん販売されています。

特に沖縄県産の黒糖で作られた「尚和三盆糖」は要チェック！
地元民の私でもはじめて目にしたほど、沖縄県産和三盆はとても珍しい商品です。

お食事処の右手にある「大家（うふやー）ギャラリー」エリアも、ぜひ訪れてほしい場所です。

四方を古民家が囲む空間はノスタルジックで、まるで100年前にタイムトラベルしたかのよう！縁側に腰をかけて、かつての沖縄の姿を想像してみてくださいね。

「百年古家大家（うふやー）」の心地よい空間でランチタイムを楽しむ

亜熱帯の植物に囲まれた店内は、風のとおる開放的なつくりになっています。
響きわたる滝の流水音や、草木が揺れる音が聞こえる心地よい空間で過ごす時間は格別。開放的な空間で、ゆっくりと時間をかけて食事を楽しめます。

ランチは沖縄そばや琉球料理・あぐー豚のしゃぶしゃぶなどをはじめ、「沖縄山原豚（やんばる豚）ロースとんかつ御膳」や「あぐーのしょうが焼き丼」など、豊富なメニューを取りそろえています。

なかでも事前予約が必要なあぐー豚のしゃぶしゃぶは、特に国内外の観光客から人気のメニュー。
しゃぶしゃぶ用のあぐー豚は、口に入れた瞬間とけていくように、1.5ミリメートルの厚さにこだわっているそうです。

夜は沖縄県産黒毛和牛の、もとぶ牛と美崎牛の2種を食べ比べられるコースがあるので、気になる人は要チェックです！

「百年古家大家（うふやー）」自家製生麺のあぐー肉そばと沖縄家庭料理を実食！

今回は、あぐー豚がたっぷりのった「あぐーの肉そばセット」と、ゆし豆腐がメインの「ちゅら御膳」をいただきました。

「あぐーの肉そばセット」は、沖縄のブランド豚「あぐー」がたっぷりのった沖縄そばがメインになっています。
ていねいに煮込まれたあぐー豚とカツオダシのスープ、そしてこだわりの自家製麺を楽しめるメニューです。

麺は、施設内にある製麺所でいちからつくるこだわりの自家製生麺を使用。厳選した小麦粉に「水・塩」の配分を少しずつ変えながら完成した麺は、細めでコシと弾力があります。

「大家（うふやー）」で長年愛されてきた特製スープをしっかりと絡めながら口に運ぶと、小麦の香りとスープの香りがふわっと広がります。

カツオの旨味がしっかりと効いた大家秘伝のスープは、比較的あっさり目の上品な味わいです。

スープを口いっぱいに入れて麺をすするのがおすすめ。スープの香りを引き立てるように仕上げられた麺とスープの、抜群の相性を堪能できる食べ方です！

たっぷりのったあぐー豚は、ウデ肉を数時間煮込んで濃いめの味付けで仕上げています。
分厚いウデ肉なので少し硬めかと思ったら、ホロっと崩れる柔らかさ！ソーキのような溶ける感じとはまた違う、噛みごたえがありながら柔らかい食感です。

濃いめの上品な味付けで、スープや麺との相性抜群。たっぷりのっているのもGOODです！

じゅーしぃは、スープとは別のダシを使用し炊かれた、沖縄風炊き込みごはん。スープ同様に上品な味付けで、じゅーしぃ特有のしつこい脂っぽさがいっさいありません。

たっぷりのお肉とたっぷりの麺、そしてスープを飲み干したうえ、じゅーしぃもきれいに食べ終えられるほどサラッとした味わいです。

最後の一滴・ひと粒まで堪能できる「あぐーの肉そばセット」、ぜひお試しください！

「ちゅら御膳」はゆし豆腐を中心に、クーブイリチーなどの沖縄の家庭料理が楽しめる御膳です。
沖縄そばと同じカツオダシでやさしい味に仕上がったゆし豆腐は、沖縄県産のアーサ（あおさ海苔）やネギがたっぷりトッピングされ、とってもヘルシー！

副菜のラフテーは、箸でスルッと切れてしまうほどとても柔らかく煮込まれています。
ランチで食べるのに、ちょうどよいサイズ感もGOOD！肉が口のなかでとろけて甘みがジュワッと広がり、なんとも幸せな気持ちになります。

上品なうま味が凝縮された、沖縄の家庭料理が味わえる「ちゅら御膳」。
たっぷりのゆし豆腐の、あたたかくてやさしい味に癒されてくださいね。

ロスを減らす努力を長年続けている「百年古家大家（うふやー）」

「百年古家大家（うふやー）」は、株式会社名護パイン園が母体で、同系列に名護市を代表する観光スポット「パイナップルパーク」や、古宇利島の「古宇利オーシャンタワー」があります。

株式会社名護パイン園は、パイナップルの叩き売りからスタートした会社。パイナップルは5割を歩留まりで廃棄する部分が多いことから、産業廃棄物への意識が高くなっていったそう。
そこで、パイン皮などを原料としたせっけんを製造販売したり、珊瑚の保全活動を長年続けていたりなど、産業廃棄物を減らす活動を積極的に行っています。

そうした背景から、「百年古家大家（うふやー）」でも産業廃棄物を極力出さないように、一部のメニューを完全予約制にしています。