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琉球ゴールデンキングスを追い掛けて 〜シチリア島・取材旅行記〜 イタリア人と、ボンゴレ、紅芋タルト、欧州バスケ・・・
シチリア島に行ってきた。
イタリアの西南、細長い「ブーツ」の爪先の、さらに向こう側に浮かぶ地中海最大の島である。日本から直線距離で約1万km。各国の都市を経由し、沖縄から片道でゆうに20時間以上はかかる。よほどの理由がない限り、一生行くことがなかったであろう島だ。
目的はBリーグ・琉球ゴールデンキングスのイタリア遠征を取材するため。9月5〜10日のスケジュールで飛んだ。
スイッチが入ってしまったきっかけは…
発端は以下のインタビューである。キングス初となる欧州遠征の意義を安永淳一GMに聞いた。
詳しくは → https://www.otv.co.jp/okitive/article/66095/
キングスのみにとどまらず、Bリーグ全体にとってもクラブ単位の欧州遠征は初の事例だった。詳細は記事内に書いているが、強豪国がひしめくヨーロッパとのバスケ交流はチームの強化やキングスが掲げる「沖縄を世界へ」の後押し、引いては日本バスケ全体の価値向上など、意義は多岐にわたる。
安永GMの話を聞きながら、ふつふつと湧いてくる思いがあった。「これ誰かが現地で取材した方がいいよな…」
40分弱のインタビューが終わった後、別れ際に安永GMが笑みを浮かべて言った。おそらく冗談半分で。「取材に来てくださいよ」。いやあ、と否定も肯定もしなかった。ただ、胸中ではその一言でスイッチが入ってしまっていた。
その日の夜に予約サイトで飛行機と宿を検索。翌日、運転中の妻の隙を見て助手席からさらっと「イタリア行っていい?」と聞いて了承をもらい、自分の中で迷いが生まれる前に勢いで予約ボタンをクリックした。
というわけで、キングスのヨーロッパ遠征取材という「よほどの理由」ができ、国際トーナメントの大会会場があるシチリア島西端の都市トラパニに行ってきた。
学生の頃にワーキングホリデーやバックパッカーで東南アジアやオセアニア、北アメリカ、中南米の国々は巡っていたが、欧州は初めてだった。シチリア島となれば、かなりレア度も高い。筆者自身も「ゴッドファーザーの舞台だよな…」くらいのイメージしかなかった。
キングスが「沖縄を世界へ」を掲げるように、大会を主催したイタリアリーグ1部(セリエA)のトラパニ・シャークも「トラパニの名を世界中に伝える」との理念を持つ。シチリア島、そしてトラパニとはどんな街か。微力ながら、より多くの人に知ってもらうため、取材旅行記をまとめてみた。
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