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松永 多佳倫

松永 多佳倫

招待試合で沖縄尚学は智辯学園と4対4のドロー。この日も登板しなかった末吉良丞は夏の大会に間に合うのか。

剛腕・末吉良丞の復活を僕らは信じている

招待試合で沖縄尚学は智辯学園と4対4のドロー。この日も登板しなかった末吉良丞は夏の大会に間に合うのか。

この夏、末吉が投げる姿を誰もが期待をしている。だからといって、こちらの期待通りに物事が進まないのが世の常だ。

でもだ。かつての西川遥輝(現・北海道日本ハム)の例だってある。智弁和歌山入学直後の春の大会で3試合連続ホームランを放ちスーパー1年生として脚光を浴びた。
しかし夏の県大会中の練習で右手首を骨折し三回戦以降欠場を余儀なくされた。しかし、3年生の合言葉で「西川を甲子園に連れて行こう」で見事、甲子園大会から復帰したのである。

夏の大会初戦までは2週間しかないが、甲子園まではまだ2カ月もある。
どうしても投げる姿が見たいのではなく、あくまでも万全の状態で投げて欲しいという意味を込めてだ。
この招待試合開始前に、末吉は控えの選手たちと一緒にグラウンド整備を行っていた。

そして5回終了後に行うグラウンド整備も一目散に出ていって脇目も振らずに丹念に整備し、ベンチに戻ろうとした際、一瞬の交差があった。智辯のエース杉本から一声かけられたのだ。ほんの一瞬だけの会話だったが、二人のコントラストは無情にも儚かった。
「投げないのかよ」なのか「甲子園でな」なのか、杉本からどんな一言をかけられたのかはわからない。
ただ、杉本は選抜準優勝投手として間違いなく末吉を意識し、一緒に投げ合いたかったはずだ。

それは、末吉だって同じだ。
今週13日から全国トップをきって夏の沖縄県高校野球大会が開催される。
昨夏の末吉を見ると、僕らはまばゆい未来へとそそがれる思いしかなかった。
でも今は違う。たとえ遠回りになったとしても、それが必要な遠回りだと皆はわかっている。

もうすぐ、また熱い夏がやってくる–––––。

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