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「逃げている感じはなかった」CSに向け“覚悟”を深める琉球ゴールデンキングス…平良彰吾らバックアップ陣も準備着々
Bリーグの琉球ゴールデンキングスは、レギュラーシーズン最終盤の最大の山場だった強豪との3連戦を終えた。
西地区上位の直接対決となった4月15日の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(西地区2位)戦は、76-80で手痛い逆転負け。この結果を受け、地区2位以上が条件となるチャンピオンシップ(CS)準々決勝のホーム開催権獲得は遠のいた。
3月18日の三遠ネオフェニックス(同5位)戦は102-82で快勝。翌19日の三遠との2戦目は68-86で敗れた。
通算成績は38勝17敗。順位は西地区4位、上位4チームがCSに出場するワイルドカードは2位。レギュラーシーズンは残り5試合で、リーグは依然として混戦模様にある。ただ、キングスはワイルドカードでのCS出場ラインの一つ下にいる5位のレバンガ北海道と4ゲーム差があるため、CS進出の可能性は極めて高い。
CSに向けてチームが仕上げ段階に入る中で迎えた名古屋D、三遠との連戦は、1勝2敗で負け越したが、強豪に勝つための「覚悟」を深めるうえで意義深い3連戦となった。
三遠戦に生きた名古屋D戦の反省
勝負の3連戦の初戦となった名古屋D戦。キングスは前半からペイントアタックと強度の高いディフェンスで試合に入り、13点リードで前半を折り返した。
しかし、後半は負けじとディフェンスの圧力を高めた相手に猛追を受け、第3クオーターは13得点、第4クオーターは16得点とスコアが停滞。相手のビッグマンはファウルトラブルに陥っていたが、ペイントエリアを攻めることや相手エースへのプレッシャーを最後まで徹底できず、逆転を許してアウェーでの大きな白星を取りこぼした。
試合後、桶谷大ヘッドコーチは「名古屋Dのようなチームに対してはすべてを出し切る覚悟で臨むことが必要でしたが、全員がそれをできてはいなかったと思います。CSでは、選手の覚悟が勝負を左右する試合が続きます。ここからの戦いは、そのような心持ちの部分も徹底していきたいと思います」と述べ、やり切る覚悟を全員が持つ必要性を語った。
三遠とのホーム2連戦では、その決意が選手たちのプレーに表れた。
初戦は34得点のキャリアハイを記録したジャック・クーリーを中心に攻守で圧倒し、追い上げられた後半も岸本隆一らがゲームを落ち着かせて勝ち切った。2戦目も3ポイントシュートの成功が2本のみに終わり、得点力が足りずに敗れたが、最後までチームとしてやりたいバスケットボールが大きく揺らぐことはなかった印象だ。
高まるペイントアタックへの意識
徹底力の向上が最もよく表れていたのが、ハンドラーがドライブでアタックしたり、クーリーとアレックス・カークがシールしてボールをもらって1対1を仕掛けたりして、相手のペイントエリアを攻め続けたことだ。
毎試合、相手のビッグマンがファウルトラブルに陥り、インサイドにおけるキングスの強みが生かされていた。今シーズン、1試合当たりの3ポイントシュート試投数が10本台にとどまったのは55試合中3試合のみだが、そのうちの2試合が今回の三遠との連戦だったことからも、いかにリングへ向かう意識が高かったかが分かる。
三遠との第2戦後、桶谷HCは「名古屋D戦に比べると、今日は逃げているなという感じはしませんでした」と言い、こう評した。
「相手をファウルトラブルに追い込めたし、三遠がインサイドのディフェンスを詰めてきてローテーションも早かった中で、『オープンシュートを一本でも決めていたら…』という展開まで持ち込めました。ペイントタッチをしようとする部分はかなり良かったと思います。ヴィックがいない中でビッグマンも疲れていたと思いますが、(強豪と)戦える手応えが出てきています」
カークも名古屋DとはCSで再戦する可能性があることに触れた上で、「CSの前にタフな試合を戦えたことは、CSに向けていい準備ができたと思っています。名古屋Dとの試合では後半でチームとしてうまく機能しませんでしたが、あの雰囲気でプレーできたことはすごく意義があったと思っています」と語り、チームの完成度向上の力になっていることをうかがわせた。
CSで勝つためには…齋藤拓実、佐々木隆成らに見る条件
一方で、カークはしっかりと課題にも目を向けた。
三遠に敗れた2戦目について、「いい時間帯は、すごくいい形でペイントタッチしたり、ゴール下を荒らしたりすることができたにもかかわらず、コンフォートゾーン(落ち着いてプレーできるエリア)から押し出され、自分たちにとっては非常に心地悪い状態を作られた時間帯もありました」と振り返った。
実際、ボールマンプレッシャーや、ディナイによるパスコースの限定でボールの動きが停滞し、ペイントエリアを攻め切れない時間帯もあった。相手がプレー強度を上げてきた時にどう打開していくかは、さらなる精度の向上が求められる部分だろう。
名古屋Dの齋藤拓実や三遠の佐々木隆成など、日本代表クラスの選手が誇る勝負強さを改めて見せつけられる3連戦でもあった。勝敗を分ける試合終盤のクラッチタイムでシュートを決め切れる選手がいるかどうかは、1試合の重要度が格段に増すCSを勝ち抜くための大きなポイントになることは言うまでもない。
指揮官も「ああいう日本代表クラスの選手がいるチームに勝つためには、ここぞの一本を自分たちも決めないといけない。そういうメンタリティーで戦ってほしいと思います」と語った。
平良彰吾「息切れ状態」で会見場に来た理由
CSに向けては、出場時間が限られたバックアップメンバーも準備に余念がない。
三遠との第2戦後、息を切らし、汗だくの状態で会見場に現れ、報道陣に「遅くなってすみません!」と律儀に謝っていた平良彰吾も、その一人だ。普段から、試合後に佐々宜央アソシエイトヘッドコーチ(ACH)や穂坂健祐アシスタントコーチらとワークアウトをすることが習慣になっている。改めて、その狙いを聞いた。
「最近はプレータイムが二桁の分数になることはないですが、そういった中でも準備できることはやっておいた方が絶対に損はないですし、ディフェンスのワンプレーのみでも、いつでも自分の100%のパフォーマンスを出せるコンディションを整えていこうと思っています。なので、今日も試合後にワークアウトをやっていました」
三遠との2連戦は1分28秒、3分11秒という短い時間ではあったが、その決意通り、いずれの試合もディフェンスで沖縄サントリーアリーナを沸かせた。
2試合目では、三遠の佐々木に対して2つ続けてファウルをした時、佐々AHCが「もっと低く行け!」とベンチから助言する声が響いた。どのような意図だったのか。
「自分の体の位置が高い状態で立ってしまっていたので、相手が手を引っ掛けてきてファウルを取られました。なので、もっと低い姿勢にして、下から押し上げるようなイメージだとファウルを取られにくいという趣旨でした」
細かい部分にも気を配りながら、目の前のことにひたすら注力する平良。CSに向けた決意を問われると、「CSだからといって何かを特別に変えることはありません。今シーズンはあまり出られない試合も多いですけど、その中で積み上げてきたものや、外から試合を見ていてチームに足りないなと思ったところを出していけるように、全力を尽くしていくだけだと思っています」と力強く決意を語った。
チームとして課題と手応えの両方を得た3連戦を経て、一人ひとりがCSへの覚悟を深めているキングス。まずはCS進出を確実なものとし、さらに完成度を高めていきたい。
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