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OTV報道部

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2022年10月 沖縄ニュースまとめ 沖縄テレビ報道部が8つのニュースをピックアップ

OKITIVEでは新たな企画として、月に1度、政治・経済・事件・事故・スポーツ・文化などすべてのカテゴリーの中から、沖縄テレビ報道部がOTVの8チャンネルにかけて8つのニュースをピックアップして、「キーワード」とともに振り返るコラムを掲載します。

2022年10月のキーワードは「繋ぐ」です。

目次

①世界のウチナーンチュ大会開幕 世界各地から県系人集う

世界のウチナーンチュ大会が開幕

世界のウチナーンチュ大会前夜祭 国際通りでパレード

オンラインで感動を共有 ”メタバース”でウチナーンチュ大会

世界のウチナーンチュ大会 もうひとつのオキナワ 移民の歴史を見つめる

6年ぶりの開催 世界各地のウチナーンチュが故郷・沖縄へ 「待っちょーたんどー」「おかえりなさい」繋ぐ絆

10月31日、6年ぶりに世界の県系人が故郷・沖縄に集う第7回世界のウチナーンチュ大会が幕を開けた。今回は、新型コロナウイルスの影響などで来県が叶わなかった人たちのためにメタバース空間で交流できるなど「オンライン」にも力を入れている。

前回、2016年の大会で10月30日を世界ウチナーンチュの日に制定していて、前夜祭となった30日には、13か国26都市から集まったウチナーンチュたちが国旗を振りながら国際通りを練り歩き、ダンスや三線を披露した。

今回、ボリビアからは、世界若者ウチナーンチュ連合会(WYUA)を2011年に設立した安里三奈美さんや、県系3世の長嶺恵さんも参加する。
長嶺さんは自身が5歳の時に亡くなった祖父について、沖縄の親族からいろいろ話を聞くことができるのるが楽しみと語る。

世界のウチナーンチュ大会は11月3日までで、世界各国から訪れた参加者は自身のルーツである沖縄で交流を深める。

②中日ドラゴンズが仲地1位指名 沖縄の大学からドラフト指名は初

中日ドラゴンズ1位指名 仲地投手に指名あいさつ

沖縄セルラースタジアム那覇で投げる仲地礼亜|okitive

プロ注目の“本格派右腕”仲地礼亜は 沖縄の大学球界史上No.1ピッチャーとなれるか【羽ばたけ!琉☆球児】(沖縄発 野球応援企画)

沖縄の大学から初めてのドラフト指名 扉を開いた沖縄大・仲地礼亜投手

10月20日、県内の野球関係者にとって特別な1日となった。
2022年プロ野球ドラフト会議で、沖縄大学の仲地礼亜投手が中日ドラゴンズから1位指名を受けた。

仲地投手は嘉手納高校から沖縄大学に進学。高校時代145キロだったストレートは、大学時代に151キロまであがりました。最大の武器は多彩な変化球。カーブ、スライダー、カットボール、フォーク、チェンジアップ、ツーシーム。
仲地投手は、「高校時代は試合で使えないレベルが多かったが、大学になって色々試していくうちに結構コツを掴んできたりした」と話す。
急成長を遂げた大学時代、最も大切にしてきたことは「考えて練習に取り組む姿勢」だと話す。また、県内の大学に通っていたからこそ、周囲のサポートを受けながら野球に打ち込めたと振り返る。
1965年にドラフト制度が開始されて以降県内の大学からドラフト指名された選手は仲地投手が初めて。
仲地投手は「自分が選ばれたことで、沖縄の大学からでも目指せるという事は実証できたと思うので、もっと上を目指して野球やってくれる子が増えるといいと思います。」と笑顔で語った。

③OIST客員教授のペーボ教授が ノーベル生理学・医学賞に輝く

ノーベル賞受賞のペーボ教授が受賞の喜びと今後の展望を語る

世界的な研究・教育機関へ 沖縄振興にも大きな期待

2022年のノーベル生理学・医学賞にスウェーデン出身のスバンテ・ペーボ教授が選ばれた。
ペーボ教授は、遺跡などに残る古代の骨を用いたDNA配列を特定する方法を継続的に研究し、人類の進化に関する発見をしたことが評価されての受賞となる。
ペーボ教授は2020年から沖縄科学技術大学院大学・OISTの客員教授を務めていて、現代人と古代人の遺伝子の違いを明らかにし、それが脳の働きにどのように影響しているのかを研究している。
OISTに在籍する研究者がノーベル賞を受賞したことについて、玉城知事は「沖縄の振興にさらなる成果をもたらしていくものと期待している」と祝福した。

④那覇市長選挙 自民・公明が推薦する知念氏が初当選

那覇市長選 知念氏「当確が出た後からすぐ予算編成を考えている」

オール沖縄を構築した故・翁長雄志の「次男」か「側近」か 那覇市長選挙で一騎打ちを制したのは

今月16日に投開票された那覇市長選挙は、自民公明が推薦する前那覇市副市長の知念覚氏が6万4000票あまりを獲得し、オール沖縄勢力が支援に回った前沖縄県議会議員の翁長雄治氏を破り初当選した

選挙戦の構図は故・翁長雄志さんの「次男」と「側近」との一騎打ちで話題性はあったものの両者の政策は似たようなものが多く、争点が見えづらかったのか投票率は50%を切る形となった。

自民・公明の推薦を受けた知念氏は、新型コロナからの経済回復などを政策の柱に掲げるとともに、市役所での長年のキャリアと副市長を務めた行政経験に市民からの期待と支持が集まった。
ところで、2022年に入り7つの市で市長選挙が行われたが、オール沖縄側はこれで7連敗となった。オール沖縄は保守系議員や経済界からの離脱が相次いでいて、今回の選挙戦でも現職だった城間市長が離反する形となり体制を見直すべきとの声が聞こえている。

いっぽう、7連勝した自公だが、辺野古移設の是非が争点となる全県選挙では参院選、県知事選と連敗が続いている。

⑤3年ぶりに各地で祭り開催 那覇大綱挽・宮古島でパーントゥ 

3年ぶりの開催もまさかのアクシデント 那覇大綱挽

3年ぶりパーントゥ 厄除けの泥に子ども悲鳴 大人の笑い声響く

3年ぶりに各地で祭り開催 那覇大綱挽は綱が切れるハプニングも

新型コロナの影響により開催を自粛していた県内各地の祭りが、3年ぶりに実施された。
宮古島ではユネスコの無形文化遺産に登録されているパーントゥが行われ、仮面をかぶった来訪神が無病息災のご利益があるとされる泥を大人から子どもまで次々と塗っていった。
厄払いの伝統行事だが、仮面をつけた来訪神の姿は子どもたちには不気味で恐怖だったようで絶叫して泣き出す子も見られた。

那覇の3大まつりの一つに数えられる那覇大綱挽も3年ぶりに開催された。
ギネス級の大綱を東西に分かれて引っ張りあうのだが、今回は新型コロナ対策で参加者を制限したことで例年よりも綱が細くなっていて、開始直前に綱の一部が切れたことが分かり、引き分けとなった。
思いもよらない結末となったが、参加者は「伝統行事がまた戻ってきたことが嬉しい」
「綱からパワーをもらったので、また来年楽しみにしています」などの声が聞かれた。

⑥PFAS血中濃度調査結果 全国平均の3倍の地点も

住民への血中濃度調査結果を公表 調査した7地域全てでPFOSの値が全国平均を上回る

PFAS汚染発覚から6年募る不安 全国平均3倍の有害物質が血中に

県内の河川や水道水から有機フッ素化合物・PFASが検出されている問題を受けて、市民団体が実施した血中濃度調査の結果が10月15日に公表された。

調査は県内6つの市町村7か所で実施され、387人を対象にした検査結果では、北谷町でPFOSの値が全国平均の3倍の値が検出された。

県内には工場施設などからの起因は考えられず、米軍基地が汚染源として推察されると
識者は指摘するが、国や県は国内に基準がないことから血中濃度調査は行われず、
市民団体が大学との連携のもと独自の調査をおこない結果が判明した。

調査の分析を担当した京都大学の原田浩二准教授は、「水道水等のPFAS汚染というのがあったわけですからその中で、血中濃度で現状把握してこなかったのは、やはりこれは問題ではないか」「(今回の調査地域)以外の地域でもどのような状況になっているのかというのを確認していかないと、沖縄全体でのPFASの実態、行政としても取り組む必要はある」と指摘する。

市民団体は、県民の健康守るために今回の調査結果をもって大規模かつ詳細な調査の実施を求め、今後も国や県に調査の実施要請を続けていくとしている。

⑦中華航空が2年7か月ぶりに定期便再開

2年7か月ぶり中華航空運航再開 インバウンド需要回復に期待高く

2年7か月ぶりに中華航空が定期便再開 沖縄観光におけるインバウンド復活に期待

10月25日、台湾と那覇を結ぶ中華航空の運航がおよそ2年7か月ぶりに再開された。

那覇空港の到着ロビーでは沖縄観光コンベンションビューローの職員やミス沖縄が横断幕を掲げて台北からの乗客およそ100人を出迎えた。
今回、沖縄を訪れた人は「4年前に沖縄に来てその後、コロナで渡航できず残念だった。やっとコロナが落ち着いたのですぐに来た」「台湾の人たちの沖縄旅行の熱は冷めていないので、早く航空券の価格が落ち着き、台湾の人たちが沖縄に来られるようにして欲しい」との声が聞かれた。

新型コロナの水際対策が10月11日に緩和されたことで、沖縄と香港を結ぶLCC・格安航空会社の定期便も再開されていて、12月には韓国の大韓航空が那覇とソウルを結ぶ便を週4往復で再開させる予定だ。

⑧天皇皇后両陛下が即位後初めて来県

沖縄向き合う宿命も 天皇皇后両陛下が沖縄訪問に込められた思い

即位後初めて天皇皇后両陛下が沖縄を訪問

天皇皇后両陛下が即位後初めて沖縄へ 沖縄に寄せる心の継承は上皇ご夫妻の姿から

今月、天皇皇后両陛下が即位後初めて沖縄を訪問された。真っ先に向かったのは、沖縄戦で亡くなった18万人以上の遺骨が納められている国立沖縄戦没者墓苑。両陛下は花を手向け、静かに拝礼された。

県遺族連合会 照屋苗子さんは「遺族のひとりひとりにお声掛けをしてくださったことは、上皇ご夫妻のように沖縄にお心を寄せてくださっている。遺族のひとりとしては本当に感謝いたしております」と語った。

フジテレビ皇室担当の橋本寿史解説委員は「天皇皇后両陛下は、上皇ご夫妻の沖縄に寄せる心を継承されてきた」「上皇ご夫妻が沖縄に心を寄せる姿を見ながらさらにご自分たちでも機会があるごとに沖縄について学ばれてきた」と話す。

天皇を中心とする国の形、国体護持のために捨て石とされ、苛烈な地上戦によって住民の4人に1人が犠牲になった沖縄戦。戦争を体験した世代が天皇や皇室に対する複雑な感情を抱く中で、皇太子時代を含め11回にわたり沖縄を訪れ、心を寄せてきたのが上皇ご夫妻でした。

天皇皇后両陛下は、県平和祈念資料館では沖縄戦の悲惨さを物語る写真や資料などを一つ一つ丁寧にご覧になられた。

本土復帰50年を迎えた沖縄。両陛下のご訪問は苦難の歴史と平和の意義を再認識する場であったともに、天皇皇后という立場で沖縄と向き合う第一歩を踏み出された重要な意味を感じさせるものだった。

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