公開日
OTV報道部

OTV報道部

2023年2月 沖縄ニュースまとめ 沖縄テレビ報道部が8つのニュースをピックアップ

OKITIVEでは月に1度、政治・経済・事件・事故・スポーツ・文化などすべてのカテゴリーのなかから、沖縄テレビ報道部がOTVの8チャンネルにかけて8つのニュースをピックアップして、振り返ります。

目次

①ウクライナ侵攻から1年 避難者の思い

沖縄から祖国の平和祈る ウクライナ侵攻1年

ウクライナ侵攻から1年 避難者の思い

沖縄テレビでは2022年3月に沖縄に避難してきたツビリューク・ナディーヤさんと、その家族の取材を続けてきた。
多くの人に支えながら沖縄で懸命に生きるナディーヤさんに長期化する戦争、祖国への思いについて語ってもらった。

ウクライナ出身のツビリューク・ナディーヤさんはうるま市の保育園で子どもたちに英語を教えながら保育の仕事をしています。

ナディーヤさん
「すごい楽しいです。ウクライナの戦争で、悲しい気持ちになったり落ち込んだりしますが、保育園で子どもたちと触れ合い、元気をもらって明るい気持ちになります」

去年3月の暮れにやってきたナディーヤさんは沖縄の生活にも慣れてきたと話す。
1年前はウクライナで家族とともに穏やかに暮らしていたナディーヤさんだが情勢は一変した。

ナディーヤさん
「(穏やかに暮らしていたのは)2月24日まででした」
「今振り返ると私たちはもっと気をつけるべきでした。でもそのときは、大丈夫、フェイクニュース戦争が起こるわけないと思っていました」

2022年2月24日、ロシアがウクライナ東部をはじめ首都キーウへ軍事侵攻を開始。
戦争が始まった。

戦争が始まる前から沖縄で働くことが決まっていたナディーヤさん。家族より一足早くウクライナを発ち去年4月から保育園で働き始めた。
次第に一家が暮らしていたウクライナ西部の街も戦火が及ぶようになり、両親と兄弟たちはナディーヤさんを頼って沖縄に逃れてきた。
妹のマリチカさんもナディーヤさんと一緒に保育園で働き始めた。

マリチカさん
「保育園で働くのは初めてのことなので最初は不安もありましたが、実際に働いてみるととても楽しい、楽しくて仕方ないです」

ナディーヤさんと家族は現在、3世帯に分かれてうるま市のアパートと沖縄市の団地でそれぞれ生活している。

ナディーヤさん
「とにかく一日も早くウクライナの戦争が終わってほしい。いま世界では戦争だけでなく地震などたくさんのいろんなことが起こっている。いまは沖縄で家族と安全に過ごせていますが、ここで何も起こらないとは限らない。地球のどこに行っても、平和を見つけるのはなかなか難しいのだと感じています。
ウクライナのために祈ります。そして、世界中の平和を祈ります」

②八重山地域で透析医療がひっ迫

現場からの悲痛訴えに県が新方針 八重山の透析医療ひっ迫 沖縄

八重山の透析医療体制改善へ 看護師など4人増員の方針

玉城知事「コミュニケーション不足だった」八重山医療の混乱

八重山地域で透析医療がひっ迫

八重山では看護師や技師の不足で新たな透析患者が受け入れられず、このままでは住民は命をつなぐために本島まで透析に通わなければならない状況に陥っている。

問題の背景を取材した。

八重山圏域では、県立八重山病院、石垣島徳洲会病院、よなは医院の3つが透析医療を担い住民175人が透析を受けている。

思い腎臓病で血液中の老廃物や余分な水分を尿として排出できなくなった腎臓の機能を補う透析でが、1回の透析には4時間から5時間かかり、週に3回受ける人もいる。

八重山圏域では看護師や技師の不足で新たな患者が受け入れられず、コロナ禍により新たな人材が来ないことも拍車をかけている。
しかし、人手不足は今に始まったものではなく、2017年には観光客の透析の受け入れができなくなる事態にもなった。

八重山県立病院はスタッフの増員を県に再三求めてきたが、病院事業局が2023年度の増員を一人としたことに篠崎院長が反発し、辞意を表明するなど混乱が生じている。

八重山の状況について県透析医会の比嘉啓会長は「緊急性がある」として、本島から短期間でも透析に必要なスタッフを派遣する仕組みが必要だと訴える。

こうしたなか県は2月9日、透析医療体制の改善に向けてた協議会で県立八重山病院に2023年度度に看護師3人と専門の技師1人を増員することを報告した。

③伊是名の海を黒く染めた糖蜜流出問題

アーサの被害深刻 伊是名島の糖蜜大量流出

伊是名の海を黒く染めた糖蜜流出問題

伊是名村の製糖工場でサトウキビから出た糖蜜300トンが海に流出し、海岸沿いに最大で幅200メートル、約1.5キロメートルに渡って広がった。

島では1月からアーサの収穫が始まっていたが、糖蜜にまみれたアーサーはすべて廃棄する事態となった。

アーサ養殖業者の松村亮太さんは、「今年4トンの収穫を見込んでいたがすべて廃棄となりました。被害はこれだけにとどまらない恐れがある」と肩を落とす。

アーサ養殖業者松村亮太さん
「来季のアーサができるかどうか…。それが心配ですね。自然のアーサの種が死んでしまっていたら養殖がもう伊是名ではできなくなってしまう」

JAおきなわによると、伊是名製糖工場では2023年1月、糖蜜を貯蔵するタンクのパイプの流れをよくするために使用した熱湯がタンクに流れ込んだことにより商品にならなくなった糖蜜900トンの処分を決めた。このうち300トンを残ささどを補完する沈砂池に廃棄した。

しかし、この沈砂池は許容量を超える前にオーバーフローする作りとなっていて、あふれ出た糖蜜が側溝から沖へと流れた。

糖蜜の大量流出は担当者が沈砂池の仕組みを把握していないことが原因だった。
JAおきなわの前田理事長はアーサ生産者の松村さんに「補償については精一杯させていただきますと」と直接謝罪した。

また、「次の生産ができるように配慮していきたいと」との考えを示した。

伊是名村の奥間村長はアーサだけでなく、もずくや海ぶどうなどほかの特産品への風評被害に懸念を強める。
伊是名製糖工場は再発防止策がまとまるまですべての作業を停止し、JAおきなわは補償に向けて被害のとりまとめ進めているほか、糖蜜の回収作業を続けている。

④観光起爆剤に 北部テーマパーク起工式

県内企業も熱い視線 「北部テーマパーク」本格的に開発始まる

観光起爆剤に 北部テーマパーク起工式

東京ディズニーランドやUSJ・ユニバーサルスタジオジャパンのような日本を代表するテーマパークが沖縄に誕生するのかもしれないと期待が寄せられている。
2025年に本島北部で開業予定のテーマパークの開発が2月7日から本格的に始まった。

テーマパークを手掛けるジャパンエンターテイメント社は、名護市と今帰仁村にまたがるゴルフ場の跡地にやんばるの自然を活用した新たなテーマパークを建設し、2025年の開業を目指す。

開発に向けて600億から700億円の資金を調達し、このうちおよそ15億円が県内の企業や個人からの出資。

県内で投資に向けファンドを設立したSCOMの上間喜壽取締役は、「今回集まった資金は総額は想定の3倍集まった。改めてプロジェクトに対する皆さんの期待とか可能性を感じているという熱量を感じた」と話す。

また、今回の事業では地元の名桜大学と連携し、卓越した観光人材を育成するための協議を進めている。
まだ見ぬプロジェクトの概要は2023年3月以降、随時発表される予定だ。

⑤料理人が絶賛!黒くならない美らヘチマ

料理人も大絶賛! 開発に10年 黒くならないヘチマ誕生

料理人が絶賛!黒くならない美らヘチマ

炒めもに味噌汁、みずみずしくとろっとした食感が特徴のナーベーラー・へちま。
ゴーヤーと同じく沖縄料理に欠かせない島野菜だが、調理の際に黒くならないへちまが誕生し、消費拡大に期待が高まっている。

新たな品種を誕生させたのは県農業研究センター。
新品種のへちまはその名も「美らへちま」。均一な太さできれいな円筒形のへちまだが、最大の特徴は調理しても果肉が黒くならならず、果肉はしろいまま。

県農業研究センターの主任研究員・長浜隆市さんが黒くならない秘密を明かす。

県農業研究センター主任研究員・長浜隆市さん
「黒くなる原因は酵素の働き、りんごを切っておくと酸化して黒くなるのと同じ原理で、その酵素を作らない品種」

へちまはビニールハウスで安定した生産ができる品種を開発しようと2013年に試験研修をスタート。その際、加熱時の変色についても改良を加えて、2022年「美らへちま」が誕生した。

島野菜に精通する料理人は「美らへちま」をどのように評価するのか。「まんじゅまい」の店主・冨永實憲さんに調理してもらい感想をうかがった。

作ってもらったのは定番のみそ炒め。

鍋で強火で炒め始めておよそ1分。黒くならず鮮やかな緑が残っているのがすごいと驚いたようす。
冨永さんは「沖縄のノーベル賞」ものだと大絶賛えした。

料理人にも好評の美らへちまは、見た目や味もさることながら夏場だけでなく農業用ハウスで冬から春にかけても生産できるため、年間を通じた安定供給に繋がることが期待されている。

主任研究員・長浜隆市さんは、「『ネクストブレイク島野菜』、ゴーヤーに次ぐ全国区になるような沖縄発の島野菜が最終的な狙いです」と展望を語る。

⑥混雑緩和に期待 3両編成のゆいレール試験走行

沖縄「ゆいレール」3両編成で利便性・快適さ向上へ

混雑緩和に期待 3両編成のゆいレール試験走行

2023年度から導入される3両編成の沖縄都市モノレール・ゆいレールがお披露目された。新たな車両には利便性や快適さを向上するための工夫が施されている。

新たに導入される沖縄都市モノレールゆいレールの3両編成の車両は、中央に荷物置場が設置されているなど、より多くの人を乗せられる工夫がされている。

大きな荷物を持った観光客などの利用客も多いことから3両それぞれにキャリーケースを置くことができるスペースも設けられている。

2003年の開業当時、1日あたりおよそ3万2000人だった利用客は新型コロナが流行する前の2019年にはおよそ5万5000人と1.7倍に増えた。

公的機関やオフィスビル、ホテルが建ち並ぶ那覇市の中心市街地にある県庁前駅は、県民だけでなく観光客の利用も多く一日に5000人以上が乗り降りします。
特に午前7時半から8時半の通勤・通学時間と午後5時半から午後6時半の帰宅時間が混雑のピークとなっていて満員のため乗車を見送る人の姿も。

混雑緩和を図る3両編成の導入に向けて沖縄都市モノレールは、駅のホームの改修を2022年年4月から進めてきた。

これまでに19の駅のうち12駅で工事が完了し、2023年4月下旬には全ての駅で改修を終える予定。
2月5日の未明には試験走行が行われ、トラブルなくスムースに運用できることが確認された。沿道から見ていた人は「早く走ってくれることを楽しみにしています」と話していた。

沖縄都市モノレール喜納久企画調整官
「アフターコロナを見据えるとお客様も戻ってくるとより多くのかたに乗っていただけるようしっかり取り組んでいきたい」

2023年8月月に開業20年を迎える沖縄で唯一の鉄軌道・ゆいレール。3両編成の導入で利便性や快適性が向上することが期待される。

⑦県民男性(働き盛り世代)の肥満割合が5割超

肥満5割超え 働き盛り世代の男性

県民男性(働き盛り世代)の肥満割合が5割超

県民の健康に関する調査結果が公表され、男性の30代から50代のいわゆる働き盛り世代における肥満者の割合はおよそ5割に上ることがわかった。

県民の健康増進にむけて、県は5年に1度調査を実施していて、今回は那覇市や宮古島市、国頭村など11市町村、3208人から回答を得た。

身長と体重による指標をもとにしたBMIでみる肥満者の割合は男性が41.6%、女性が24.8%でいずれも全国平均を上回っていて、男性の30代から50代のいわゆる働き盛り世代の肥満者の割合はおよそ5割。

新型コロナの影響により体重が増えたと答えたのが、男性で27.4%、女性が33.2%に上ったほか、生活習慣病のリスクを高める多量飲酒の割合は男女ともに全国平均より高くなっている。

いっぽう、運動習慣のある割合については男女ともに全国平均を上回る結果となっている。

県は、肥満の割合など引き続き改善が求められる項目については、施策に反映させ健康増進に繋げていく考え。

今回は新型コロナの影響により測定値ではなく自己申告となっているため県の担当者は実際に肥満者の割合はもっと高い可能性もあるとみている。

⑧卒業式のマスク自治体で対応分かれる

8割の市町村「卒業生にマスク着用求めず」独自方針も

卒業式のマスク自治体で対応分かれる

来月に控えた学校の卒業式について県内41市町村のうち、33の市町村では卒業生にマスク着用を求めないことがわかりました。

卒業式について県教育委員会は、児童生徒や教職員は式典全体を通じてマスクを着用せずに出席することを基本とし、保護者や来賓についてはマスク着用を求めるよう市町村の教育委員会などに通知している。

沖縄テレビが41市町村の教育委員会に対応を確認したところ、33の市町村が県の方針に沿って卒業生にマスクの着用を求めないと回答した。

いっぽう、那覇市は新型コロナやインフルエンザの市内の感染状況を踏まえ、マスクの着用を「奨励する」としているほか、中城村も中学校では高校受験を控えているためマスク着用に協力を呼びかけると独自の方針を取っています。

那覇市:マスク奨励
中城村:中学校で協力よびかけ
座間味村:学校判断

沖縄テレビの調べで32市町村が準ずるとした県の方針は以下のとおり。
・児童生徒や教職員はマスクなし
・保護者、来賓はマスクあり
・児童生徒も校歌斉唱や合唱の際はマスクをする
・マスク着用を希望する児童生徒にマスクの着脱を強いることがないよう呼びかけ

あわせて読みたい記事

HY 366日が月9ドラマに…

あなたへおすすめ!